尼崎・京都と2日間を経て火曜日はオフ。昼過ぎにツカ邸へ戻り一旦仮眠。ROCK STAKK と Disc Union をパトロールして旧友とパフェを食べながら旧交を温めたり。
家に戻れば MANOWAR 大会。MANOWAR は人を繋げ、集いし人が MANOWAR に続いている。
6月になり1日、水曜日。
ツカ邸の朝は7時から始まる。起きて、シャワーを浴びて、スーツに着替え、忘れ物確認をしてバッグを持って会社へ。この「同じ光景」は規律的なルーティンとして存在し、ツアー中に乱れたことは一度たりとなかった。
『プロ』に拘る方々に見てもらいたい、これが5月にライヴを20本こなした男の日常である。
二度寝して11時に身体を起こす。今日はランチのオススメ(これらの情報も事前に全部ツカちゃんが送ってくれる)に紹介してもらった『大黒』へ。オフィス街にあって人気の老舗だから早めに行ったほうがいいと受けた情報にも関わらず、入るとガラガラ。あれ、どんなメニューだったか。しかし美味しそうなのでアジフライ定食をオーダー。トイレに行く直前…いや…やはりおかしいぞ。外を確認すると、隣のお店に入ってしまっていたのであった。平謝りで真の扉を開けると開店から10分だというのに結構な賑わい。様々な意味で危なかった。
定食は存在せず、かやくご飯・白味噌蛤・焼き生鮭。明治35年から続く、なんとも上品な昼食を堪能。関西らしい出汁味が心を豊かにしてくれる。蛤は贅の極みといったところ。
さて一度家に戻り、機材を持ってスタジオへ。遅いクリックと流して叩いていると妙に合わない。ここ数日、ライヴは重ねていたぶんスタジオワークができていなかったため、基礎から随分と離れていたことが原因か…
なんてことはない。bluetooth での接続で使用していたため若干ながら乱れが生じてしまっていたのだ。もしかしてこのズレに気付かず練習している人もいるのかも…と、余計な心配をしつつ身体を慣らす。
その足で火影へ到着。早速サウンドチェック。マットの重なる位置とペダルの配置を意識しつつ、キックのフープが随分と削れているので段ボールでカサ増し。こういった地味なフォローが後に効く。ヘッドは昨日のライヴでボコボコになってしまい、結局新しいものを買いに行く必要がありそうだ。割れシンバルのストックはなかったのだが、WEICHES LOCH タモンさんの持ち込みシンバルをお借りできることとなった。割れてて最高!
というわけではじめましてのブライアンくんの案内のもと楽器屋へ到着。イシバシには置いてなく、イケベ楽器にてようやく入手。ヘッド1枚すら買うのに一苦労するようになったのは、ワンクリックで家まで届けてくれるサービスを盛り上げてしまっている消費者がいるからに他ならない。私はなるべく店舗で買います。
さてランチのオススメで教えてもらった “トレボン” へチン入。周辺は歩いていたけど入店は初めて。ハツにモロッコいんげん、目の前で焼いてくれるためエンタメ性もGOOD。つかちゃんも合流し、軽く杯を交わせば開場。
[STRANGE BEAUTIFUL]
入場無料にて開催された今年3月の渋谷RUBY ROOM “RICH GOLDEN STREET vol.4” は、大阪の平日ブッキングのようなメンツを東京に丸ごと持ち込むことに成功。「関西勢のフロアの盛り上がりにフロアが驚き湧く」異様な熱気に包まれた日からおおよそ3ヶ月。サノさん、つかちゃんは共にソロから自身のバンドとなり、同じメンツで本当に「大阪平日のブッキング」が叶ってしまった。リッチフォーエバーに対するお返し公演である。既に優勝間違い無し。
1番目 “WEICHES LOCH” は3人による廃材ノイズバンド。瞬間で生まれた “不確定要素” を拾えば繋ぎ、音・リズムは極限までプリミティブな反応を見せ、ルーパーやエフェクトなどの現代的要素が金属音や摩擦音を音楽として成立させ始める。
東京でも放ってくれたグラインダー火花も、ホーム火影では容赦なし。爆音や実験の許容量の広さが関西特有の文化を生むのだろう。
2番目 “BLONDnewHALF” やっぱり今日も素晴らしい。cozさんのドラム鳴りはスネアチューニングも含めてパーフェクト。持ち時間の影響かやや急ぎ足でのライヴであった。#STDRUMS は3番目。スタジオも入り、ヘッドも張り替えて準備万端の状況。それでいて連日のライヴによる身体の慣れもあり、余裕のある演奏ができたように思える。課題である新曲はどのように届いただろうか。
こうして最後は “TSUKAMARO” 散々家でもお世話になっているのにも関わらず「今日は #STDRUMS へのお返しです」なんて、泣けてしまうぜ。エフェクターを踏み分けてベース成分をコントールし、2人組らしい展開の臨場感を付けていく。マロ先生のドラミングは音が飛んでくるから気持ちがいい。
京都RAGのブログに綴った解像度については、この日のライヴがより具体的にしてくれた。至近距離の旨味は音圧と振動にあり、明確さの必要性とは別のベクトルに乗っている。「曖昧な演奏をしないこと」ボスの教えは後から効く。
かくして、まるで大阪の平日ブッキングのようなライヴは終了。日常として根付いているカルチャーの寛容性に胸を打たれつつ、理想的と云える1日を終えるのでした。ありがとう御座いました!
それでは、続きはwebで。チーン。
season1-13
【だって(だって)編】
盟友とのラジオが始まりました。毎週月曜日朝7時更新。