全てがよい流れだった。金曜日は “SHERELLE & LCY JAPAN TOUR 2022 TOKYO” へ。ケイトウリキのツイートを見て急遽私もついて行った。晩酌しようとせん時間からイベントに出掛けられるのはワクワクする。
そう、今日のような本格的なクラブイベントに遊びに来ること自体が初めて。フロアへ下るに従って振動は増し、ライヴハウスと “根本的” に違う出音に驚いた。帯域として強調された凄まじい低音と音圧、だが不思議と耳は痛くならない。DJやトラックメーカーが追い求めているキックは「こういうこと」だったのか!百聞は一見にしかず、この場合 “百聞は一聴にしかず” というか。
UKから来てくれた LCY と SHERELLE は盛り上がりも最高潮。”DJ” に於ける進化とジェネレーションを体験できた。差し込み方が絶妙なAMENビートが流れるとEPIC 度全開。やはり正しいのだ。最後 TREKKIE TRAX で Adam F が流れたのもとんだサプライズ。自分が知っている曲が流れたらどうなるものかと思って居た矢先の出来事だった。
すれ違いざまに話した方が「今日これだけの人を集められたことはクラブイベントが勝利した瞬間だ」と主催の方と分かち合ったのだそう。Circus Tokyo は久し振りの光景といえる大入り、そして多くが20〜30代の若い世代。正直この国の民度と性格に絶望していたので『ウマくやることをわかっている人たち』が集まっている光景は私の眼に大きな希望として映った。こうしてオールナイトの旨味をしっかりと味わい、ケイトウリキを引き連れインスタントラーメンを食べて朝方に就寝。
明くる土曜日、ケイトウリキ “だったもの” は二日酔いで蠢いている。そんなわけでひっそりと新たに買ったスネアが到着。
軽いオーバーホールをしていると、ストックしていたつもりの替えヘッドが無いことに気付いた。LOTUS ROOT レコーディングで使ったクリアヘッドを代替えで貼る。
もう何年も前に買って寝かしていた Ludwig のスナッピーを取り付けて作業終了。紐もテープも付いていて手厚い。ケイトウリキはようやくケイトウリキの状態まで復活し、銭湯へ行って解散。帰り道の魚屋さんで状態のよいニシンを買って帰る。
というわけでニシンは刺身。アンド最近発明レベルにハマっている鶏むねステーキで早めの夕食。作業を進めていると仲間にお呼ばれしたため街へ。ベッド・イン ちゃんまいは Motörhead – Shine の話題で盛り上がれるオンナだ。知識量ではなくセンス。全てがよい流れである。
15日、日曜日。編曲をギリギリまで進めて、演奏する曲データを書き出す。SDカードに移して…あれ、読み込まない。何度やってもいかん。替えのカードも見当たらない。まずいぜ。掘り当てるように見つけたカードの初期設定をしてなんとか準備完了。開演に20分ほど遅れて到着すると、フィードバックさせ過ぎてまだ演奏を始めていない FLOATERS の姿があった。万事順調だ。
【Charmer’s Pot vol.43】
FLOATERS と North By Northwest で大阪・名古屋とツアーした3日目に、昼間から開催してのツアーファイナル。いつ寝てるんだ…?そんな1番手 FLOATERS はグイグイ飲みまくっての演奏。Junさんのロールするタイトなドラミングにタナカさん、ヒロさんの重低音が入り混じる。ドゥームとジャンル付けされているが、ビートからリズムまで実に多様性に富んでいるのは彼らの音楽愛そのもの。じゃなきゃ今日の出演陣は集められない。
「プエンテヘ出られることが夢だった」とMCで始まった “Daybreak” はどこか懐かしいメロディックパンクを展開。”Trilorona” は前回2月に引き続いての共演、途中ハイハットの不調も見られつつ後半にはレコーディングに参加されたゲストを招いて大盛り上がり。#STDRUMS は続く4番目。クリアヘッドを貼った新スネアの音を初めて出した。
#STDRUMS 15/05/2022 pic.twitter.com/p4lw0BB8Ac
— #STDRUMS ユージ・レルレ・カワグチ (@rerure666) May 20, 2022
マイキングしないハコで演奏するとどうしてもリキんでしまう傾向は今日も例外ない。そしてこればかりは本番と現場を重ねて自身に落とし込んでいく他に方法が無いのだろう。前回キックとペダルが外れてしまう事態に見舞われたため、ペダル側に抵抗を作ってきたもののやはり一度外れてしまった。簡素はハコならではのスリルと魅力を共有できたならば幸いである。
フライヤーでよく名前を見ていた “泥虎” はリヴァイヴァル系の直球スラッシュメタル。イントロ後に全員全力で刻みまくる姿が素晴らしい。最後の曲名から優勝している Royal Straight Hangover は店長シギーさんが命名したとのこと笑。
続いて “Questrakt” はVo.ソウさんと、ドラマー仲間トシくんのバンド。まさか対バンだったとは!ベースレスのトリオ編成(状況に応じてメンバー数が変化するのだそう)は、音階を司るのがギターのみという潔さを意味している。破茶滅茶(だが一貫してピースフル)に暴れまくるソウさんを見ていると、常に『衝動』を追い求めて A.O.W. THRH と渡り歩いてきた理由がよくわかった気がする。トシくんのペダルは割れ、重要であろう6弦が切れようとも御構いなし。演奏が終わってお互いが話し合う姿も含めて “音楽” であった。シギーさんの喜ぶ姿を見ていると、彼はこういうライヴのために EL PUENTE を守っているのだと感じざるを得ない。
こうして昼から始まったパーティーの最後は “North By Northwest” Dr.コイケくんは調布ではヴォーカルだったが、100%を超えんばかりのパワフルな演奏。ギターとベースによるトリオで、よく顔を見ていただけにようやく音を聴くことができた。FLOATERS とは年齢もかけ離れている彼らがファーストアルバムをリリースして一緒にツアーを回って最終日。この3日間が如何に充実していたかは FLOATERS が始まったときから感じ取れている。一生を使って築き上げていくブルースの沼にズブズブと嵌っていく姿をみた。
中田さんのクロージングDJは今日もメタル大会だ。22時頃に閉店してあっさりと帰宅。じっくり風呂に浸かり、耳が欲しがったのは Another Perfect Day だった。音楽を浴びまくった3日間を爆音と旋律が入り乱れるロックンロールで締めるとしよう。ご静聴ありがとう御座いました。
それでは、続きはwebで。チーン。
season1-10
【そっちのLunar Seaじゃねぇ編】
盟友とのラジオが始まりました。毎週月曜日朝7時更新。