昨夜の朝方に帰宅。
全公演を終えて、記憶の整理をしながら
5月11日。
Javi, Bill帰国の日。
一向に連絡が無いため、
ノケン氏宅へ向かうと
16時過ぎでこの有様。
荷造りは全くされていない。
この後急ピッチで荷造りが始まり、
出発時間がどんどん先延ばしになったのは言うまでもない。
更に後日談となるが、最もお気に入りであった「筈」のハッピや、
とても大切なもの「と言っていた」ペンケースを
纏めて家に忘れていったのであった。(送りました)
彼のモノに対する価値観は一生分かり合うことがないだろう…。
さて時刻は17時半頃。
東京駅には18時には着いていたいところ。
電車で向かうのはややギリギリな時間帯だ。
新宿までタクシーで向かえば少し気休めになるかもしれない。
しかし最終的に彼らが決めた選択肢は
ハイウェイを使っての東京駅直行であった。
無計画さ故の無駄遣い。
いや、これぞ、RICH FOREVERである。
安心も束の間。
Javiが急に「飛行機の日付が違うかもしれない」などと言い出す。
Nathanが出発日を変更した際に、我々のも動かしたかもと。
しかし彼の携帯は電池切れ寸前。ネットも繋がらない。
携帯を貸すも二段階認証のお陰でGmailにログインができない。
試行錯誤を繰り返し続けた結果、最終的にNathanと電話が繋がり、
ただただ取り越し苦労で終了。
そもそも何故そういった発想になるのか。
どうして確認していないのか。
結局そのまま、バス停まで到着しあっと言う間の別れ。
流石に呆れ果ててしまい感慨に浸る余裕なし。
バスが発射する寸前「帰ったらポスターを見ろよ!」とのこと。
うるせ。
とっとと帰れ、帰れ!
だが、
バスの発車と同時に
僕は反射的に同じ方向へ走り出していた。
夕陽が落ちていく方角へバスが消えていくまで、
彼らが居なくなっていくのを見届けた。
「やったな」
これに尽きるツアーであった。
無名のガイジンバンドと、ソロ活動によるツアー。
初めてだらけ・何も持っていない我々のライヴは連日大盛り上がりだった。
【ロンドンからやってくる彼らに
日本の素晴らしいバンドを観て・共演してもらいたい】
【こんなにも中身と説得力があるホンモノの音楽・表現が
ましてやこの距離間であるのを
少しでも多くの、知らない人に体感してほしい】
ツアーが始まる前に書いた2つの目的。
前者は企画の段階で達成しているが、
後者を最も感じ取ったのは他でもない自分だったのかもしれない。
日本の住宅事情・エンターテイメントに対する価値観故からか、
避けて通ることのできない『チケット料金』。
では2000円の先に何があるのか。どんな楽しいことが待っているのか。
1杯のビールを飲むとしよう。
温度やグラスの管理がされた美味しいものなら500円を払えるが、
そうでない・まずいものであれば200円でも飲む気にはならない。
ライヴイベントとは言わばフルコースである。
お客さんが払う入場料金は当然対価であるべきだ。
その日のパフォーマンス・内容・雰囲気に幾らの価値があるか。
商業主義・お金へのがめつさではなく、お客さんの満足度の話。
例えばギター教室の発表会など、そのものに価値があれば勿論問題ないが、
付き合いや『そういうものだから』という妥協は許されない。
しかし意識を持って作り込んだものであったが、
最終的に付き合い・個人間の信頼で人が集まってくれたような気がする。
意外であったし、何よりも嬉しかった。
自分でいうのは実におこがましいが、
『あいつなら大丈夫だろう。』
共演のバンド・ハコ・オーディエンス。関わる全ての皆さんが応えてくれた。
この内容ならチケット代の価値があると信じていたから。
真面目に音楽活動をやってきてよかった。
そして周囲への感謝。
これを最も感じたツアーであった。
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東京駅を1人歩く。
3週間前、同じ景色を5人で見て・歩いていた。
ホームへ向かう途中の本屋が新作の宣伝をしている。
日本語が耳へザクザクと入ってくる。
僕のアンテナが日常に戻ったのだ。
タイトな時間管理と
次々に守られていかない約束たち。
取れない練習時間。
ハイカットのなかで脱げていく靴下。
蓄積されていく極僅かな鬱憤。
異文化のせめぎ合い。
有言実行は押し付けに感じただろうか。
「自由」とは周囲の優しさがあり成立する。
彼らの「自由」も、パフォーマンスを信じて
ツアーで組み上げられてきたものを消化して
いま
1人だ。
あの4人は同じトーキョーを異世界に変えていた。
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のけん氏宅へ戻った。
そういえば、Javiが言っていた、ポスターの話だ。
「ははあ。なるほど。」
丸められたポスターを開く前に気付いてしまった。
RICH FOREVER.
このタイトルを冠した時点で、
ツアーの成功は確約されていた。
言うまでもなくリッチとは裕福さではなく、
心の豊かさである。
お金では手に入らないものを僕は手にしていた。
リッチフォーエバー。
やったな。
SEX MESSIAHブラジルツアーから帰ってきたウダさん、
翔二郎も合流して、お互いの成功を祝う。
こうしてあっさりと5月11日は終わりを迎えた。
詰まりに詰まった思い出をほぐすのもこれにておしまい。
無事に終わったツアーは始まりの第一歩に過ぎない。
気付けばツアーが終わり一カ月以上が経過している。
#stdrums はレコーディングを終えて、次の一歩を踏み出みだした。
「自分にできること」をこれからも全力でやっていきます。
改めまして
【RICH FOREVER JAPAN tour 2017】
へ ご来場頂いた皆さま、
共演・ライヴハウス・スタッフの皆さま。
Javi, Bill, Nathan.
本当にありがとう御座いました。
また、会いましょう!
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https://stdrums.bandcamp.com/merch
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それでは、続きはwebで。チーン。