昼に車で集合して、喫茶うらのすへ荷物を積み込みに行く。
ルーティンとして慣れてきたライヴ最終日、7月25日。
ヒロシくんの声帯も概ね復活してきたようだ。
寝起きの声の小ささが話題になりつつ、連絡がつかないフネさんの動向を追う。
“ALLESWITZ” ウトさんも今日はDJにて参加で、それぞれ無事に合流。
連休の影響にてレンタカーが手薄だった結果、少し奮発した車両となった。
福岡を全て詰め込んだかのような豪華なお弁当で北九州への旅がスタート。
1時間ほどして小倉・MEGAHERTZ へ到着。
会場の扉を開けると、早速感動する印象深さを受けた。
白を基調に鮮やかで清潔感ある色彩。
随所に見受けられるDIYでの施工。
しもて・ドラムを横目に会場内へ入るスタイルも斬新。
それでいてフロア中心に立つと、前後のスピーカーに挟まれ音に埋もれられる。
爽やかな印象とは真逆の、凶悪とも言える音量だ。
フロア最後尾の机は音からの逃げ場となっており、会話も可能。
Ibi Ryotaさんに言われた「絶対に気に入りますよ」は瞬く間にして的中した。
このハコは、素晴らしい。
早くも楽しみが過ぎてしまうなか、今日のセットリストを書き出す。
このハコを見た瞬間新しいアプローチが浮かんだが、曲数が足らない。
アイディアだけを書き留めておき、次回と今後に試してみたい。
インプットとアウトプットに満ち溢れた【RICH FOREVER TRIP 2021】。
16時前には開場。
#STDRUMS Tour Final ▱RICH FOREVER TRIP▱
開場から始まるDJは勿論アナログ。
“勿論” と言えるのが、素晴らしい。
お店にも既に大量のレコードが置いてある。
少し漁っていると、ELECTRIC LADYLANDを見つけたためリクエスト。
気兼ねなくOKして下さったDJのShionさん。
徐々に入れ替わり、Jimi Hendrixのギターが聴こえてくる…。
…?これは… “Voodoo Chile” だ。
私がリクエストしたのはその前の “Crosstown Traffic” であった。
溝的に曲順が曖昧になってしまった、レコードらしいハプニングである。
“Voodoo Chile” にノイズをミックスして新境地を作り上げる DJ Shion.
結果、新境地であり最高の1曲となった。
今この曲を聴いても思い出すのはこの瞬間・この小綺麗な巣窟。
1番目は “花車”。
これまでVJでお世話になった pjzさん率いるノイズバンド。
其々持ち寄った機材をリンクさせて(?)、楽曲を組み立てていく。
メロディックな要素が多く、盛り上がりのポイントも作られている。
フードには福津にいらしてくれた “Jankanic Taco”。
イノシシ肉(曖昧)でのタコスが実に美味しい。(後におかわりする)
そして “宋家” は “ALLESWITZ” ウエダさんの焼肉店。
キムチとナムルを提供していて随分な人気っぷり。
その理由と、ウエダさんの秘密は明日に判明することとなる。
2番目は “GARORINZ”。
全員がヴォーカル取る女性スリーピースバンド。
リハーサルから非常に楽しみにしていた。
ユニークなフレーズのワンループが進行、ローファイな演奏。
奇想天外な展開がポップなのは、ポップとは予測不能を指すのかもしれない。
裏切りまくりの面白い曲ばかりが続く。
オリジナルメンバーの藤井よしえさんは2010年11月7日、癌により逝去。
このツアーを共にしているジュンジさんの奥様であり、ハルちゃんのお母様である。
現在はDr/Vo・チエさん、Ba/Vo・テルヨさん、そしてGu/Voにハルちゃん。
このツアーを経た最終日に、バンドでの演奏を聴けて嬉しかった。
#STDRUMS のTシャツとGARORINZ の音源を交換してもらった。
ウトさんのDJも鋭く刺さり、3番目は “黒の巣”。
「すっかりお馴染み」と言えるようになっているのもツアーの醍醐味。
特にここMEGAHERTZ とは低音の相性が強烈にいい。
会場の雰囲気とのギャップがより一層凶悪さを引き立てる。
途中からウエダさんがサックスにて参加。
最初気付けなかったのはフネさんの “暴音” に掻き消されていたからであろう。
って、ウエダさん、サックスも吹けるんすか。
お互いのイメージとエゴがぶつかるスリリングな30分。
(レコードラックの改造に使えると思って撮ったメモ用の写真)
4番目 “MUSKRAT”
白塗りにコープスペイントでサングラスにピンク色のロン毛。
軍服を組み合わせた超オシャレな出で立ちで会場入りしたGt/Vo・ロレインさん。
感服すべきは、疑いの余地を感じさせないこと。
非常にまとも・とても礼儀正しく、紳士な会話と応対。
この人はコスプレでも何でもなく『正装』としてこの状態を選んでいる。
そんな彼とドラマー氏のデュオバンドは、想像を斜め上に来たカルト系ロック。
聴いた感覚をそのまま言葉に表せば、不気味で、変なサウンドがクセになる。
真摯に音を出す姿を、私も含めフロアは真剣に受け取っていた。
表現する自由とリスペクト。
MEGAHERTZ に強いシンパシーを感じているのはこの部分が大きい。
終演後にジュンジさんとロレインさんが真剣に話し合っている様も印象的だった。
素晴らしい会場・素晴らしい出演者・最高のオーディエンス。
今日最後の演奏をすべくドラムセッティング。
Ibiさん、イズミさん、今回のツアーで関わってくれた人たちも集まってくれた。
もう既に、胸がいっぱい。
スピーカーの位置をイメージし、通常最前まで出すドラムを敢えてそのままにした。
DJのように、選曲の流れはあれどプレイそのものでの主張はしない。
このアイディアが出てきたのも様々なDJのスタイルと技法を見てきたからこそ。
#STDRUMS pic.twitter.com/rBJFnlKVaf
— ゾ (@zongulldaak) July 25, 2021
チート状態・遊戯王のクライマックスでのダイスロールな演奏の始まり。
今日が盛り上がらない、訳がない。
転ばない確約がされている以上、実験し放題。
知らない展開が次々に湧き出てくる環境の下、兎にも角にも自由に演奏した。
自由に演奏「できた」MEGAHERTZと共演・オーディエンスの皆さまに感謝。
▱RICH FOREVER TRIP▱
九州ツアー最終日・完遂。
終演後、物販を見つつ片付けをしていると、好きにLPを掛けていいらしい。
マジすか。
こうしてZEPPELINやらをネバーエンディングテーマで聴きまくる。
気付けばすっかり酔い酔い。
小倉の夜は更けていくのであった。
それでは、続きはwebで。チーン。