METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums Daily

20210502 #STDRUMS + 皇帝魚 & MADSAX光聲 + まちゅこけ + シネマキャブレターズ 〜FINAL BATTLE TOUR 2021〜 福井NoSiDE

投稿日:2021年5月3日 更新日:

朝方に起床。
若干酒が残っている頭ではあるが、具合はいい。
昨夜得た数多の発見が気持ちを前向きに調整してくれているようだ。

本来予定していたツアー日程は政府のご要望により一部中止。
引き続きウイルスは夜行性で、主にライヴハウスや楽しい場所に集まるらしい。
京都(舞鶴)→大阪へと戻らずツアーを終えるため、全ての荷物を車に積み込む。
金沢か、福井か。解散の地は呼鳴手のみぞ知る。

愛用のBATTLESパーカーを戦国大統領へ忘れてきてしまったようだ。
Ian本人から貰った大切なものなのでなんとか回収したい。
(そして大切なものほどよく失くす。身に付けるものは特に。)
故にこの記事から借り物の上着にマイナーチェンジします。
リバーシブルでお似合いだったのでオネダリし極めたものの強奪失敗。
そんなこんなで “FINAL BATTLE TOUR 2021” はじまりはじまり。

日本の音楽を全然通らずににここまで来てしまった人生。
世代のものは少し知っているが『常識クラス』と思われるものもほぼ知らない。
自分のテリトリーで変換すればYESもEL&Pも聴いたことない感じ。
昨今関われているアーティストの影響もあり、70〜80年代に興味がある。
幸いにもその世代のCDを多く所有する邸からピックアップして車へ。
北上のお供に日本ロック講習会のスタート。

何故これから始まったのか。
偶然にも聴きたいアーティスト満載。
ヒカシューからカッコいい。声が超印象的だ。
勿論KRAFTWERKの楽曲のよさありきではあるが。
それぞれの特色を活かした良質なオムニバスである。
ネットで検索して即CD購入。

村八分は71年。ガラが悪くていい感じ。
ルースターズも初めて。爆裂都市に出ていた方々ですね。
1stの勢いがSLAYER的なポテンシャルを持っていてカッコいい。
丸パクリ過ぎる所があるのは目に余るとも言えるけど。
持ち主たちも初期の3枚が好きなのだそう。

この件を道中、我がレコード師匠にメールをお送りしていた。
その返答には予想通りと想像外が混在。
話の焦点はリアルタイムと後追いの、世代による印象の違いについてだ。
ヨナ世代で云うところ暴威。
私世代ではSLIPKNOT辺りか。
その音が出現する前後関係を見ると無条件に頭を縦に振れない背景がある。
レジェンド達は美談の上塗りが繰り返され、いつの間にか伝説として肯定のみが残る。
特に当時の音楽を追い続けている私には注意が必要な考え方である。

李香蘭はなんと40年代。
録音は勿論モノラル。
歌の力に圧倒されこちらもCD即購入。
話題は昨夜の戦国大統領へ移り、STIR UP SHITの服装へ受けた感想を共有する。

こうして福井は『ヨーロッパ軒』へ到着。
福井の名物といえば海産物と睨んでいが、この店は欠かせないそうだ。
行列が出来ているのも人気の表れであろう。
15分ほどして入店。

通常卵を閉じるのがカツ丼と認識しているが、ここではソースのみ。
この “ソースカツ丼” 発祥のお店として長らく愛されているそうだ。
割と薄めの肉にカリッと揚がったカツが3枚。
まずはカツを丼のフタへ逃がし、別々に食べていくのが作法なのだそう。
うむ!これは、ご飯とソースだけでイケてしまうやつだ。
極細のパン粉との絡みも実に美味しい。
こういった『素朴でずっと食べられる系』が呼鳴手レコメンドに多いので趣向が近い。
うっかり特製ソースと極細パン粉もお土産に買ってしまった。
曰く、福井の米と水がまず美味いため、家で再現しようとも難しいらしい。
店内では大手作業着メーカー、ワークマンがファッションショーをやるTV番組。
敢えて仕事着でライヴをやるのが面白いのではと道中の話題がリンクしたり。

さて14時過ぎにNoSiDEへ到着。
まだ時間も早かったそうで、一旦荷物を置いて駅近郊へ。

会場から福井駅までは割と近くの距離感のようだ。
車で連れて来てもらったために土地勘が全く働いていない。
街は開発と発展が同時進行しているかのような独特な雰囲気。
他の都市には感じられない独特な『面白味』を受けている。

さて、来た。
味処『おたん』
大阪の仲間たちが満場一致でオススメしていた名店。
入店前から既に美味い。

ほら。お通しがもう美味い。

え??

ヴッッッ!!!

塩雲丹
へしこ
どいつもこいつも味が濃過ぎて酒以外を呼び込まない。
イカ刺しなんて蜂蜜よりも甘い。
日本酒も極めて優しく美味い。
こいつは凄い場所へ迷い込んだぞ…。
なんとかやり過ぎないようセーブを掛けながらお猪口を嗜み、会場へ戻る。

さてNoSiDEへ戻って早速セッティング開始。
シネマキャブレターズ本多さんからシンバルをお借りしての組み立て。

スネアスタンドは1台しか無いため得意のビールケーススタンド。
この方が音の差別化が生まれて良いとすら感じている。
タムホルダーが片方機能しないためタムは1つ。
折角スペースが空いているので割れたシンバルを重ねてエフェクト仕様に。
その現場で偶発的に生まれたアイディアが新しい挑戦に繋がる。
実に、実にいい流れだ。

共演の皆さまと談笑しながら開場までの時間を過ごす。
MADSAX光聲さんはレトルノセの映像を視てくれていたようだ。
では、一緒にやりますか…?
急遽飛び入りしていただけることとなった。
昨日の演奏で偶然生まれた『有機的空間』が早くも機能し始めている。
全部その場で決まる面白さ。これが “ライヴ” だ。

と、ふと本多さんが買って持って来たレコード・コレクターズ 2021年5月号。
おいおい、このアルバムの話を道中にしていたのだ。
フェスティバルホールから戦国大統領を経て、全てが繋がっていく。
スピリチュアル的ではなく、あくまで偶発と必然とに向き合いながらの開演。

まちゅこけ & #STDRUMS での合同ツアー “FINAL BATTLE TOUR 2021” 初日。
1番手は “皇帝魚 & MADSAX光聲”。
しっとりと組み上がる妖艶な空気に鋭いサックスが雑味ある爽やかさを持ち込む。
超シブ目に歌い上げるのが本来持ち味の皇帝魚(ワカさん)。
今回は全体のバランスを見越してアンビエント系の構成にして下さったのだそう。
演者のエゴではなく、空間を優先する心持ちに感服。
ハレルヤは今の世情を憂うかの如く響いていく。

まちゅこけの演奏中はMADSAX光聲さんと簡単な打ち合わせ。
少し浮かれ過ぎている自覚もあったため入念な準備に時間を使う。
お楽しみは明日へ取っておこう。
漏れて聴こえてくるシャウトに、このツアーへの意気込みが伝わってくる。

#STDRUMS は3番手。
ドラムのセッティングをそのまま置いておけたため、落ち着いてステージへ上がれた。
それでも録音機材をセットし忘れていたりするんだがね…。
初体験ともいえる重ねエフェクトシンバル。面白いな!
途中で重ねを外したりすると別の音を演出できる発見もあり。
ワンタムにすることで得られる『選択肢のメリット』が存在するんだな。
少なければ少ないほど、迷わない。

MADSAX光聲さん の飛び入りタイミングもお見事。
お互いをわかっていないからこそ生まれるグルーヴ。
初対面のインパクトがあったお陰でいつまでも仲良くできる経験と同じだ。
去り際も完璧でした。ありがとう御座いました!
充実という言葉のパズルがぴったりと嵌る40分。
(何故か紹介で “DJ MADSAX” と言ってしまったのは此処だけの不思議。)

トリはNoSiDE店長テツヲさん率いるシネマキャブレターズ。
本多さんとは散々ドラムの話をした後だったので、会話に出て来た通りのドラミング!
ロックドラムの中に多彩な影響が見え隠れする自在な演奏。
しっかりと支える屋台骨でありながら、主張もするバランス感覚が気持ちいいのだ。
バンド3人が築いてきた土壌あっての賜物なのであろう。
関さんのベースはもはやパーカッションの役割も担っている。
ロニーウッドよろしくなテツヲさんが楽曲に息吹を与える。
う〜むカッコいい!
ブレる写真しか撮れないほど、あっという間に過ぎ去っていった。

ライヴハウスに音の楽しみを探してNoSiDEへ集まる。
チャージは投げ銭なので敷居は低く、余裕がある人だけが払えばいい。
地元のバンドがしっかりと対価ある音楽で締め括る。
私がイベントへ求める理想形が、ここ福井にあった。

終演後はそのまま会場内にて簡単な打ち上げ。
初対面が嘘のよう、という言葉は新鮮な初対面だからこそ使える言葉である。
うどん、へしこおにぎりと、食べ物も全部美味しい。
本多さんは私を肯定し続けてくれている。
褒められ続けている私を見抜いて意見してくれる影を思い浮かべたり。
ツーショットの後ろ姿が今日という吉日を物語っている。

MADSAX光聲さんと楽屋で分かち合っていると、1枚の紙が卓上に置いてあった。
まさにこの日の我々を代弁するかのように突如として目の前に現れたのである。
リズムとは2つ以上の点が繋がることで円状の回転をし始める。
散らばっているような点と点は次々と繋がり、縁となっていくのだ。
道中の話題はこの地での伏線と言わんばかりに回収された。

さて荷物を片付けて解散。
我々はワカさんのご自宅兼スタジオへお邪魔する。

なんとなんと、超豪勢な二次会がご用意されていた。
ネ申極まれし。
元VOIDDドラマーの川崎さんもご一緒になって乾杯。
こうして絶好調のツアー2日目も終わりを迎えようとしていたのであった。

それでは、続きはwebで。チーン。

6月18日(金)
渋谷RUBY ROOM
RICH BUDDIES vol.6

#STDRUMS
Violent Chemical

ADV- 1500円 (+1D) / DOOR -2000円 (+1D)
*開演時間未定(予定19:00)

▼予約▼
https://www.rerure.com/blog2/ticket

-#stdrums, Daily
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