28日・水曜日。
裁縫のお陰で昨夜は飲み過ぎを回避し、目覚めはよい。
必要な荷物を持って集合。
車で会場へと移動する。
裏口からフェスティバルホールの舞台袖へ。
この場所で既に世間のライヴハウスより広い。
ステージに上がったときの奥深さたるや。
King Crimson 2015年の大阪公演も行われたこの場所。
あのツアーでの景色はこんな感じだったんだな。
https://www.ient.or.jp/tlclub/tours/crim15/jcrim15_24.html
楽屋にて早速、スタッフさまへ衣装の相談。
リクエストをいくつか伝えると、クリップで何度か型取り。
最終的にほぼ縫い直しレベルの修正をして下さることとなった。
永久送料無料券あげたい。
その間にセッティング調整からのサウンドチェックへ。
サイドスネアのスタンドの角度調整ネジがいかれてしまっていた。
ヴィンテージ機材には常にトラブルが付き纏う。
幸いにも角度に問題はなかったためネジが効かないまま放置。
ノーホールでのマイキット。叩くだけで凄まじいナチュラルリヴァーブ。
高台が結構振動してしまい、マイキングが次々とずれてしまうハプニングも。
ガムテープで床に貼り付けることで解決した模様。
主に位置調整とチューニングを確認しながら進行。
割とみっちり演奏していって最後のブロック。
「えー、ここで新曲をやると喋ります。」
…????
新曲…だったの…?
“BEACON” に感じていた『2曲目っぽさ』はそういうことだったのか!
「Timelineシリーズが~」とリハで話していたのはそういうことだったのか…!!
これぞ無知の力。罪の無自覚。
他の曲と比べて違和感なく並ぶことができるのが凄い。
こうしてサウンドチェックは終了。
センサーの調整も抜かりない。
打数はリハーサルと比較しやや上昇気味。
気分のみならず打数も(計測結果として)上がると知るドラマーは少なかろう。
三度チューニングを整えて準備完了。
はい神。
走召ネ申。
無事に整った顔面。
本当に助かりました。
スタッフ様へは永久送料無料券寄贈。
ケータリングも充実している楽屋。
蜂蜜までもがご用意されており身分不相応極まりない。
御大の楽屋をチラと覗くと、こちらには100%オーストラリア産純正蜂蜜。
これが…実力…!
というわけでTWININGSのEnglish Breakfastと一緒に頂戴してラテ。
本番も直前となりステージ袖へ向かう。
とある面白ハプニングは私の胸の内へ閉まっておこう。
【平沢進+会人(EJIN) 24曼荼羅(不死MANDALA)】
大阪フェスティバルホール、開演。
これまで計測してきた打数が掲示され、1打叩くごとに変わる背景。
数字が加算されていくことで前に進んでいくような独特なライヴ感がある。
リアルタイムで体感する面白さに特化しており、観にくる価値を最優先した作りだ。
多くの制約はあるが、この世情だからこそ各々の日常を過ごすことが大切である。
なんとか生き延びようとした選択が、結果同調への加担となっては意味はない。
ようこそお集まりいただけた。
ステージ中央にも5台のタイコが横に並びメンバー全員が叩ける仕組みのステージ。
打数稼ぎという目的に沿いながらも既存楽曲に新たな息吹を与えるのだから凄い。
ジャングルを想起させるようなアレンジへより刺激を与えるため、一部提案をした。
リハーサル時から「なにかアイディアがあれば言ってくれ」と伝えられていた。
ダチョウ倶楽部よろしく、これは望まれているものなのだと解釈していた。
『曖昧で伝わりにくいことはせず、簡単かつ効果的な方法を視覚も併せて作り出す』
私に背を向け続け歌っている男が言葉にせずともそう教えてくれた。
映えあるこの舞台の楽曲内容へも関われたことを心から嬉しく思う。
初日の方に多くアレンジが組まれていたので、探してみてください。
(ヒントは前の記事に…)
初日で印象的だったのは “論理空軍”。
リハーサルでも初日序盤に手を付けた、まだ身体も強張っているときだ。
演奏序盤早々にストップさせ「この曲は苦手でしょう?」と言われた。
やはりこの男に嘘は通じない。
キックとスネアを噛み合わせるのが難しく、梃子摺っていた曲である。
決断に迷いが無いボスの判断は「同期ドラムと一緒に演奏する」であった。
確かにそうすれば私の自由度は上がり、結果的に長所が活きることになるだろう。
だが私はこの曲のために3つ目のスネアも用意していたため成立に力を入れていた。
最終日にまで仕上げるから待って欲しいと伝え、その日は保留となった。
別日の休憩時間にプレイスタイルの話しとなり、こんな質問が飛んできた。
「ハードロックのドラムフレーズを禁止されたらどう思いますか?」
私の好きなスタイルとして存在するが、それはアイデンティティではない。
フレーズを叩くためにドラムを演奏しているわけではないから。
返した言葉は同時に自らの耳へと届き、課題への答えとなった。
私はステージを盛り上げたいだけだ。
スタイルをなぞりたいからドラムを叩いているわけではない。
自由さを求められているわけではなく、私が居て生まれる化学反応が必要なのだ。
“論理空軍” では敢えてマシーン的、繰り返す動作のみに挑戦した。
3つ目のスネアを撤去し、シンプルなビートを反復するように練習。
トリッキーな音質や再現性などの『曖昧で伝わりにくいこと』を捨てた。
打ち込みの再現を追うのではなく、聴いていて面白い演奏。
それでいて原曲を崩さず、言いなりではなく意志があるドラム。
リハーサル最終日にて、同期ドラムはミュートされたのである。
この気付きは “回路OFF 回路ON” でも同様の効果を見せた。
“スノーブラインド” はゴーストノートのお陰で見た目の割に打数が伸びる良曲。
陰湿な幽霊の如くネチネチと打数を稼いでいると1つの予感が降りてきた。
曲のエンディングに差し掛かりながらカウントの亡霊が見え隠れする。
こうしてきっかり200000。
キリ番がライヴの演出効果になるとは思わなんだ。
そして今日、初めて新曲だと判明した “BEACON”。
まだ見ぬ “平沢進” の『今』に触れられることが嬉しい。
同じタイムラインを生き、同じ24時間から生まれてきた楽曲。
40年間を費やし築き上げられた哲学は至ってシンプル。
しかし解明には到底及ばない。
こうして初日を終えた。
打数は予定の約60差という好成績。
(慣れてきたから違和感が無いものの、これはドラムの話です。)
やはりいくらリハーサルを積んだとはいえ、だいぶリキんでしまった感じがある。
大きい会場は生音が届かないため、どのくらい力を入れているのか程度が掴みにくい。
明日も楽しみだ。果たして240000打達成なるか!?
それでは、続きはwebで。チーン。
渋谷RUBY ROOM
RICH BUDDIES vol.6
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Violent Chemical
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*開演時間未定(予定19:00)
▼予約▼
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[…] 20210428【平沢進+会人(EJIN) 24曼荼羅(不死MANDALA)】〜大阪フェスティバルホール初日〜 […]