ナカムラルビイ × #STDRUMS
即興デュオ【レトルノセ】
“HAISEN SESSION”
秘密地下倉庫での累積記録映像作品が公開されました。
事の発端は3月。
“RICH FOREVER SEMINAR vol.8” にて初ライヴを終えたレトルノセ。
『この2人組の旨みを最大に活かすには映像作品が向いているのではないか。』
突如根拠なく浮かんだアイディアを早速各方面へ相談していた。
構想の源は Pink Floyd “Live at Pompei” 屋内版。
そうとなればロケーションが肝心な要素の1つとなる。
目星は既に…いや、あの場所しかない。
ナカムラルビイ×#STDRUMS【レトルノセ】有料生配信ライブ、ご閲覧いただいた皆さまありがとう御座いました!5月31日までアーカイブ視聴がご覧頂けますので、是非お求めください!https://t.co/AKgIVvKCTy
本日のライヴ音源は何らかの方法で販売いたしますのでお楽しみに。 pic.twitter.com/qGKd7l4cMh
— #STDRUMS ユージ・レルレ・カワグチ (@rerure666) May 21, 2020
4月の #STDRUMS 西日本ツアーもあり停滞しながらもスケジュール調整。
どうやら5月の後半であれば諸々の条件が揃うようだ。
こうして21日、善行Zからの有料配信ライヴが披露されたのは記憶に新しい。
『裏テーマ』とも呼べるのがこの “HAISEN SESSION” である。
ナカムラルビイとは数日前からスタジオに入り実験記録を重ねた。
即興を主体としているため、あくまで練り過ぎず・近付き過ぎず。
スタジオ内にいるより雑談していた時間の方が多かったかもしれない。
#STDRUMS のレコーディング・スポットとしてもはやお馴染みの地下倉庫。
武田神のお力も借りてドラムキットフル持ち込み。
メインスピーカーが無いため、サックス&同期音源はギターアンプから出力。
既に尋常でない爆音とナチュラルリヴァーブが空間を振動させている。
ドラムの音をサックスマイクが拾い過ぎてしまい完全に「回ってしまっている」状況。
(爆音サウンドチェックの様子)
撮影は丸山太郎監督。
ローファイとテクノロジーを気持ちいいバランスで配合した撮影センス。
セッティング→音バランス作り→25分撮影→おしまい。
当日のタイムスケジュールは至ってシンプルなものだった。
ワンテイク・ノーカット・一発録音撮影。
演奏者2人だけではなく、撮影カメラとのトリオ・セッション。
編集作業も凄まじいスピード感で仕上げてくださいました。
この動画は、これまで重ねてきた即興実験の集大成とも言える。
お互いに掴んでいる感覚のある(=聞き覚えのある)フレーズへ自然と反応していく。
音だけでなく映像を共にすることで真価が発揮されるのが面白い。
全体の展開を音だけでなく映像が引っ張ってくれている証拠である。
18:00周辺の、壁画を撮影しながら演奏に戻ってくるところが特にお気に入り。
ヴィンセントギャロを彷彿とさせるシュルレアリスム。
『謎の静寂』は謎のまま、視るものを音の隙間へと引き摺り込む。
…しかし即興は本当に奥深い。
お互いが一方的になり過ぎないようにバランスを見て展開を織り成す。
『ベストバウト』を生み出すためのプロレスリング。音の逆水平チョップ連打。
『ノーガード殴り合い』でも、片方がぶちのめしては意味がないのである。
撮影ロケーションとして抜群である本地下倉庫。
だが、いわゆる「通常のバンド」にはデメリットが多い環境となるであろう。
選ばれし者たちによる、火山噴火のような迸るマグマの鼓動。
レトルノセにしかできない魅力を詰め込んだ『新作』をご堪能ください。
実はこの日のために新しい機材を導入。
ルーパーを用いてドラムをその場で録音→エフェクターで遊ぶという算段。
練習しようと思った日の前夜、飲み屋に置き忘れ万事休す。
しかしお陰でドラムのみに集中でき新しい基軸も見つけたり。
“HAISEN SESSION” では登場せず、生配信ライヴでは電池切れという体たらく。
「きみにはまだ早い。」と言われたようなカルマ的展開でした。
bandcamp ではレトルノセ初音源となる2曲を投げ銭にて公開。
HAISEN SESSIONの別テイクと生配信ライヴで演奏した1曲。
2人のセッションを耳のみでも楽しみたいという方は是非。
更に、それぞれソロによる “HAISEN SESSION” も撮影。
#STDRUMS も『セッション』というテーマで新曲を公開。
映像はあくまでもシンプルに。
部屋鳴りが過ぎるドラミングとドリーミーなアンビエンスはヘッドホン推奨。
打ち込みとのセッションは、いつか “タネ明かし” 予定しております。
ナカムラルビイと秘密地下倉庫の相性は想像以上のものである。
部屋カオスと人間ノイズの融合。完璧な画角が次々と飛び出す。
こちらのソロでもレトルノセでのフレーズが登場するのがニクい。
所作も込みで表現作品とできるのは映像ならではの面白さである。
5月後半、某地下倉庫における秘密の記録をお楽しみください。
…私は既に二度経験している。
【いい映像作品のとき、髪型がおかしい】
帽子をかぶって演奏しなかった2週間前の自分を呪って差し上げよう。
撮影・録音にご協力頂いた丸山監督・福島エンジニア、ありがとう御座いました!
それでは、続きはwebで。チーン。