その日はライヴに向けての最終連絡と、
当日に配る予定のフライヤーデータの準備を簡単に済ませ、
横浜は関内、セルテ50周年記念イベントの野外ライヴ。
ありがたいことにツアー初日に向けて楽曲の最終調整も兼ねることができた。
終演後カメさん、ジュンジと久し振りの再会もあり
話が弾む金曜日の19時過ぎ。
B.B.Streetでのライヴを覗かせてもらっているときに1通の連絡が届いた。
電車に乗り東京駅を目指す。
少し早めに着いてしまったので、花壇の淵に腰掛けて楽曲の練習。
ツアーオーガナイズに時間を取られ練習が足りていないという本末転倒。
はたまた、新たなるツアーに向けて不安と期待が交錯しているのか。
日本のバスにはwi-fiが搭載されている車種もあるらしい。
リアルタイムの連絡が来たため、
やや足早に荷物を纏めて八重洲南口の信号を渡ると
見覚えのある
しかし日本ではあり得ない
4人の人影がこちらに向けて手を振っていた。
この瞬間に立ち会えてしまった時点で
ツアーとしての目的は達成されたかのような錯覚を受けた。
ロンドンからUNDERGROOVELANDとJordiが無事に日本へ到着。
ここ最近の入国審査は外国人は100%スーツケースを開けられるらしい。
当然CDやら何やらが入っているのだが、
プロモーションと一言いうだけで通れたとのこと。
なるほど日本にとって音楽はビジネスとして見られていない証拠であるのかもしれない。
Javiはかなり厳しい持ち物検査を受けたようだ。
荷物を分担して東京駅構内を歩く。
同じ日常に4人の違和感が加わっている。
新宿経由で京王線へ乗り換え。
電車の混雑具合と荷物のバランスが余りにも不釣り合い。
今回宿はアナディメのギター、のけん氏の家を借りることとなった。
しかしJordiは猫アレルギーのため我が家での宿泊。
まずはウェルカムパーティーをすべく鳥貴族へ。
遅い時間だというのにウダさんも来て下さり、
何はともあれ到着の無事を祝った。
近所のラーメンへ連れて行き早くも失神寸前のJordi。
明くる22日、午前10時。
玄関を占拠していたツアーTシャツ250枚を纏める作業。
昼過ぎにメンバーも来てくれて、家の隙間が一気に無くなる。
この作業にもメンバーの個性がよく出ている。Nathanは流石の真面目っぷり。
彼らは今回のためにフラッグのようなポスターを作ってきてくれていた。
ライヴ中に掲げたいものだが、布ではないので果たして上手くいくだろうか。
このときまだ、このアイテムの重要性に気付く者はまだ誰もいない。
比較的スムーズに用意が進んでいると思いきや、
気付けば出発予定時刻を過ぎていた。
ヨーロッパ人たちの緩やかさに呑まれてしまっていた。
いや、この時ばかりはうっかり気を許してしまっていたのか。
急にハイピッチになり、やや困惑気味のメンバーを連れて外へ出る。
日本に於ける時間のタイトさ(そして我々の立場)を説明しながら
渋谷はRUBY ROOMへ到着。
リハを開始する時間には間に合って一安心。
早速UGLのメンバーにセッティングをお願いする。
1人での全くままならない企画の運営・進行の最中、音出しが始まる。
ぬかった。
「彼らがこれから演奏すること」に防御を張っておくべきであった。
幾多観てきた3人組での演奏が、日本・渋谷・目の前で行われている。
思わず涙が出た。ここでかよ。
本番になったらどうなってしまうんだろうか。
続いて自分のリハは使い慣れていない新しい小型ミキサーに翻弄される。
何事も思い通りにいかないまま、設営を続ける。
物販・荷物置き場作り・イベントのシステム説明・機材の変更・etcetc…
自分のキャパシティーが超えて閉鎖的な気持ちになってしまっているとき、
メンバーがハンバーガーを差し入れてくれた。
『彼らを招致している』という責任感が裏目に出てしまったのかもしれない。
ふと肩の力が抜けたとき、リハも押しつつ開場10分前。
【RICH FOREVER JAPAN tour 2017】
4/22(土) 渋谷・RUBY ROOM
UNDERGROOVELAND
#stdrums
DEEPCOUNT
TERROR SQUAD
鉄アレイ
オープンするとこの日に向けて声を掛けさせて頂いた大勢の友達・仲間が足を運んでくれた。
漫画の最終話でこれまでの登場キャラクターが揃うような感覚。
渋谷の路上で出会ったYves,Azimの2人も来てくれた。
それ以降の記憶は曖昧である。
今日のために捧げてきた全ての気持ちに完璧に応えてくれたTERROR SQUAD.
もはやウダさんは今イベントの共同主催者といっても過言ではない。
ファンを経て、メンバーを経て、およそ10年という付き合い。
いま目の前で衝撃の演奏をぶちかましている。感無量とはこのことだ。
興奮冷めやらぬなか、DEEPCOUNTノブさんのトランペットが渋谷の夜を切り裂いた。
開いた口が塞がらない。
センス・テクニック・オーラの全てが兼ね備えられている。
「こんなにも素晴らしい音楽が身近にあることを体感してほしい」
企画における願いを最も強く受けたのは自分自身であった。
ノブさんの日本語による朗読をUGLメンバーは真剣な眼差して聴いていた。
セッティング中からフロアの密度と熱が高まる。
柿沼さんとIIZAWAさんの完璧なリズムセクションに身体が動かずにいられない。
ツアー最終日までUGLのメンバーは
この日初めて聴いたHigherやBURNING SPIRITSを口ずさんでいた。
鉄アレイのライヴで盛り上がらない日はあるのだろうか。
フロアは国籍や言語を越えて終始熱気に包まれていた。
#stdrums のライヴを終えて、いよいよUNDERGROOVELANDの出番。
音を信用して日本へ招致し企画を組んだ。
大先輩に囲まれようと、ジャンルが違えど関係ない。
その結果を音で返してくれた。
全く引けを取らない堂々とした演奏。
数ヶ月思い描いていたイメージが目の前で現実となっていた。
しかし既にタイムテーブルは押しに押して、約15分で演奏終了。
後ろにイベントが入っているため、音止めの時間が決まっていた。
こればかりは、運営の不手際としか言いようがない。
最終的に彼らの演奏時間が短くなってしまったのは本末転倒である。
「業務連絡です。アンコール!」
RUBY ROOM音響担当の方がマイクを通じて宣言してくれた。
フロア・出演者・そして会場が1つになって
彼らのアンコールを作ってくれた。
音で応えるUNDERGROOVELAND.
素晴らきせめぎ合い。
腕時計のチェックから解放され、
ようやく彼らの演奏を心から楽しむことができた笑。
計2曲のアンコールを経て、初日のツアーは終わった。
チケット半券と引き換えられるTシャツ・CD。
ただのTシャツじゃない。
試行と意見を重ねに重ねた至高の逸品。
TERROR SQUAD, DEEPCOUT, 鉄アレイで大はしゃぎするUGLのメンバー。
また彼らの演奏に応えてくれる共演者とオーディエンス。
こんな史上最高なイベントがあっただろうか。
自画自賛ではあるが、
画を描いてくれたのはこの場にいた全ての人だ。
昨日の動画一部。暗いし被り物しているから手しか写っていないけど。。
最後に会った時よりキレッキレにPower Upしていました!
こりゃ気合い入れて精進しないと遊んでもらえなくなる(;´д`)仁木 忍さんの投稿 2017年4月22日
大尊敬する先輩方との共演。真のジャンルの交わり。知らない人も来やすい環境作り。理想を全部詰め込んだ結果、最後の演奏でこの盛り上がり…!人生史上最高なイベントをやれた…否、イベントへ行ってました!ご来場頂いた皆さまありがとう御座いました!#stdrums #RFJt2017 pic.twitter.com/Rf1SQC8ly9
— ユージ・レルレ・カワグチ#stdrums (@rerure666) April 23, 2017
果たして彼らを東京で発見した瞬間からRUBY ROOM終演後まで
何度「達成された」と感じたであろう。
しかし、まだまだツアーは始まったばかり。
朝7時頃まで宴は続き、どういう理由だったかメンバー全員が我が家へ。
テトリスよろしく。
何とか全員床へ配置し、長い長い1日を終えるのでした。
https://stdrums.bandcamp.com/merch
【RICH FOREVER JAPAN tour 2017】
グッズ通販スタート!
お問い合わせからでもご対応できます。
それでは、続きはwebで。チーン。
[…] “RICH FOREVER 2017” へ TERROR SQUAD と DEEPCOUNT を呼んだシンパシーも嬉しい。実力が試される限られた機材環境、ステージとフロアの境目ないこの距離感だからこそ生まれるエナジー。 […]