3月17日 (月)
日を重ねるごとに喉がやられていく。空港へ辿り着くと BF80s ソウヘイとトシキも同じ飛行機のようだ。Why Kai 御一行とも合流してチェックイン。荷物超過を支払って大阪を目指す。
伊丹空港からバスでなんば駅に到着。エレベーターを探して歩くものの最終的には階段だった挙句、地下内の昇降が激しいルートとなってしまった。しかしこの人たち、初めて来たとは思えない道さばきで目的地へと進んでいく。
15時前に SOCORE FACTROY へ到着。別で移動していた BFドラム:江口は関空の到着を選んでしまったらしい。音出しの順番を Why Kai からにしてもらって進行。しかしどうしても間に合わないため、急遽代打レルレでのサウンドチェックとなった。昨日のライヴでスネアにトドメを刺したため、PEACE から 13″タムヘッドを買い取って代用。アタックが強いスタジアム仕様で人力ドラムンベース。バンドでの音出しはやはり楽しい。#STDRUMS の準備も続けて開場。
DJ Posner が姿を現さない瞬間もときには訪れるもの。#STDRUMS は1番目。昨日から歌 (カバー曲) を導入したため喉への追い討ち不可避。2番目は Bellbottom from 80’s。遂に福岡以外で観る1発目で、どのような反応が生まれるか…1曲目のラストでベース4弦が切れる。替えのベースも弦もなく、急遽曲を減らしての演奏となってしまったが、できることをやり切ったライヴ。
そして Why Kai。音響とステージの距離感が相まって人力テクノ本領発揮。ハイファイな音響だからか、Elias のドラミングはより高い解像度でロッキンな仕上がりとなっていた。即興も多く含まれるライヴだが、パフォーマンスは曲の強度をもってして成り立っている。
「正しいこと」は手間がかかる上に評価がされにくい。大人数のアテンドと自身の演奏が入り混じり史上最高の過酷さなのだが、それ以上に仲間たちへの感謝が上回っているため、全く苦にならないどころか楽しい。我々はいま「評価」や「結果」といったものに左右されない、無敵な状態にある。 pic.twitter.com/FyfQ4dC2iM
— #STDRUMS ユージ・レルレ・カワグチ (@rerure666) March 19, 2025
最古の友人から「これで¥3000は安過ぎる」と言ってもらえた。表現者側が消費物として粗雑に扱われやすくなった時代。「正しいこと」とは手間がかかる上に評価されないものだが、そんなことよりも日本まで来てくれた彼らへの感謝が上回るツアー。目撃した人は既にリッチフォーエバーを手に入れている。
Why Kai
#STDRUMS
Bellbottom from 80’s
DJ:
Posner
(Tシャツにサインを書くため下敷きになる Kai 先生。)
暫く SOCORE FACTORY で飲んだあと、うどん屋に行く。明日に向けてのレンタカーを予約しようとお店の会員登録をしようとすると…既に登録されたメールアドレスとな…?なんと2月頃、すでに予約手続きを完了させていたのだった。記憶から抜け落ちたタスク処理を、機材量と人数が足らないためサイズ変更手続きで解決する。
Kai は地図能力が高く、更に運転も得意で、国際免許も持ってきてくれたとのこと。走召イム。安心安全の Kai 印。ライヴへ遊びに来てくれたアラヤン邸にソウヘイ、江口とお邪魔する。気付けば割と朝方。
3月18日 (火)
アラヤン邸 (お世話になりました!) から道中銭湯へ寄り道して所定のレンタカー屋まで Kai と待ち合わせる。「問題発生。国際免許が使えない」範囲がEU圏内に限られていたとのこと。
HELLS PASS DRIVING スタート。アクセルとブレーキの場所の確認から運転は始まる。後部座席真ん中はシートベルトがないため「サクリファイスシート」に認定。Isak が生贄となる。Kai の道案内でなんとか進んでいくも途中二度ほど突入したヘルモードに車内大興奮。この道中で “Berrum & Beyer” にて “Manneglass” が取り上げられたことを知る。何を言っているかわからないが、文脈と喋り方でなんとなくわかる不思議。
地獄アトラクションで京都METRO へどうにか到着。機材搬入からのセッティングにも慣れがでてきた。Posner は昨日買ったレコードを DJ に使うという。METRO は以前企画をやったときに PC の画面が真っ青になるという “磁場系ハプニング” に見舞われたが、今日は問題なく起動。
かっちゃんに相談したのをきっかけに、京都・関西地元のDJの方々をご紹介いただいての京都公演。METRO のウェブサイトを見て興味を持って来てくれた人々など、高い期待値が伺える。うっかり “バンドのクセ” でオープン/スタートの時間を分けてしまい、急遽自分のiPodがランダム再生した、完璧なセットはこちら。
Led Zeppelin / How many more times
Manowar / Ride the Dragon
Squarepusher / Tensor In Green
Led Zeppelin / Whole lotta love
Squarepusher / Neverlevers
Hiatus Kaiyote で続いた DJ LEICA (今日のタイムテーブル作成など手厚いサポートを頂いたバディー)、テクノセット寄りの Posner に続いて #STDRUMS。Why Kai リミックスも回数を重ねて次のアレンジが見えてきた。幡ヶ谷で会ったスウェーデン “G三人衆” も集まってくれて喉は限界。
「家では聴かない音楽シリーズ」DJ SUIGUN の凶暴なセットを経ての Why Kai。クラブミュージックとバンドを巻き込もうとする上で METRO は最適解の1つ。期待通り、それ以上の演奏と熱気で会場内はヒートアップしていく。
本当に美しい、言葉にならない、息を呑む美しさ。しかし事実として渡航費・運搬費・会場費用などお金が掛かる。最高な車を持っていてもガソリンがなければ走れない。『ヤバい』を体験しにライヴへ来てください。明日から仙台・東京・北海道とツアーを走り切ります。 pic.twitter.com/nYbfqVmE6j
— #STDRUMS ユージ・レルレ・カワグチ (@rerure666) March 19, 2025
サウンドチェックで必ずやっていた “Whatever”、リラックスした雰囲気から始まったこの日の演奏は今でも心に残り続けている。DJ SHIN、ラストにDJ YOTTU が見事にイベントを締めてくれた。MANNEGLASS!
Why Kai (from Norway)
#STDRUMS
DJ:
Posner (Norway)
LEICA
SUIGUN
SHIN
YOTTU
物販の片付けをしながら Elias の「ロンドンに行く目的は?」という質問に「ノルウェーのジャズファンクバンドと出会うため」と大喜利的に被せてきた Espen。そうだとも。ハイハットクラッチから始まったノルウェー・ミュージシャンたちとの素晴らしい日々。そうだと断言できるツアーだ。帰りは Posner がサクリファイスシートへ名乗りを挙げる。
26時ごろに大阪市内へ到着。一度ツカ亭へ荷物を置いて車へ戻ると、ランダム再生で “Allthetimeevenwhen” が流れており、Kai と一緒に歌いながら駐車場を探す。この瞬間が「どれ程のもの」かは、わたし自身にしかわからない。
こうして無事、全員死なずに運転任務完了。飲まずに会場を後にしたライヴは人生初めてだったのではなかろうか。メンバーが集まっているという焼肉屋へ向かい FORVER MANNEGLASS 発動。Espen から心温まるスピーチが用意されていた。ペダルは割れ、スネアヘッドは終わり、スティックも折れ尽くした4日間が終了。とにかく笑い続けていた。楽しかった・よかったと、各会場からも感謝してもらえたのも印象的な今回のツアー。オフを挟んで後半の4日間が始まろうとしている。
https://shop.rerure.com/
それでは、続きはwebで。チーン。