福岡から東京に帰ってきて、私は決断に迫られていた。
ロンドン行きの航空券が無駄になってしまうかもしれない。内輪差での巻き込み事故のような現状に打ちのめされているときに現れたオーディションの話しに気持ちを切り替え、チケットを灰に変え新たなる可能性に向けて動き出した。
近所の安売り店で生麺が特売されていたため、ラーメンをよく作っていた。鮪のアラを具材やサラダに利用してDHAを摂取する日々。
これはいつかの Espen. ノルウェー人から名店として喜楽を教えてもらうことになるとは思わんかった。こうしてリハーサルなどを重ねて迎えた4月7日。
職人の朝は早い。前日に仕込んでおいた油揚げと、椎茸を戻した出汁でご飯を炊く。酢飯を仕込んで具材を混ぜ込み、それぞれをパッキングしてスーツケースへ。
早起きが功を奏してか、余裕のある会場入り。本来返しとして使うモニタースピーカーを駆使するとRUBY ROOM でもマルチファイブ・スピーカーが成立すると判明。各所のバランスを追い込みながら頭の片隅には酢飯がいる。
予定より早めにソロのサウンドチェックを終えられたため、早めに来てくれた翔二郎と共に詰め込み作業。こうして数年振りに稲荷寿司復活。過去RUBY ROOM にはイエガーマイスターのお盆があったのだが、今回はショットケースにラップを巻いてお届け。
バンドメンバーとも音出しを終え、残った酢飯を昼食代わりにして開演。2月の善行Z から始まった #STDRUMS【ONE MAN EXHIBITION 2024】の最後は渋谷にて、ソロとバンドの2形態でのワンマンライヴ。Z での『操作ミス』から生じたイントロで幕を開け、積み上げてきたフィードバックを演奏する。
今回のワンマンツアーは、成功や失敗以前に『可能なのか』が大きなテーマだった。そして今ではワンマンこそが自分にとって理想の形だと思えるようになっている。呼び込む展開からバンドメンバーがステージに上がれば Let’s get the party started. クリックがないだけで最高なのに、曲が自在に変化してくれるなんて。
このバンドセットを経てして、ソロ演奏の間に新たなる要因が加わっても成立することが判明した。人間が演奏しないことを前提に組まれたシーケンスプログラムを無理矢理にコピーし、凄まじい集中力で再現してくださったバンドメンバー。スーパーダイナマイトハウスから選盤として来てくれた翔二郎へ多大なる感謝を。
こうして全国ワンマンツアー【ONE MAN EXHIBITION 2024】及び東京での SOLO and BAND SET は無事完遂。渡英のために詰め込んだスケジュールから、低反発な深海の世界へと潜り込んでいく。これからも #STDRUMS をどうぞよろしくお願いいたします。挨拶励行。ご来場いただいた皆さま、ありがとう御座いました。
“真の” THE FIRST TAKE。ネジ倉庫での人力ドラムンベース。 SATURATIONS (with 原昌和 / the band apart)
それでは、続きはwebで。チーン。