2月29日 (木)
家の整理をして空港へ向かう閏年。スーツケースに入らないシンバルを背負うため、持っていける荷物には限りがある。重量超過を支払い、ペダルは手持ちでなんとか搭乗。北海道ツアーのはじまり。
夜便で札幌の到着は21時前。乗り換えが上手に運び、いいタイムで札幌駅へ到着。風がないのでそこまで寒くはないものの、歩道まで雪が積もりスーツケースが進まない…雪が日常にないと気付けない盲点。
20分ほど引き摺り進んで “欽ちゃん本店” へ到着。
…閏年は29日あるじゃん…。軽く飲んで移動するはずが、北海道は初日から人を試してくる。
乗るしかない。炭鉱マンサワーをしこたま飲んで2900円。最高すぎる。麻生駅から迎えに来てもらい昇太郎宅に到着。数日お世話になります。
明日も早いらしく昇太郎は先に寝床へ。お風呂を借りて家のレコードを物色。アナログで聴いたことのなかった “Don’t Be Swindle” に衝撃を受けた。勢いの塊。順番に並ばない歌詞。一見すると全曲分あるとは思えないのだが、目で追っていくと「曲名』が歌詞にもなっており腑に落ちる。なかには書いていない歌詞もあり「たまに歌詞が聞こえてくる」バランス感覚が完璧。自身のアティテュードをあくまでポジティブに伝えてくれる関西らしさも最高…。世界最速と云われた SxOxB の凄さに今更なら気付くのであった。
3月1日 (金)
快眠。太平地区は地盤が緩く余震のような揺れが続く。お昼は昇太郎にオススメされた “味登利食堂” へ。チャーシュー麺を注文するとお母さんがせっせと麺を茹で、盛り付けしてくれる。
ファッキンでかい。
「焼肉のあとにハンバーグはやらんだろ」みたいな、”やりすぎ” な食べ合わせを揶揄する言い回しを耳にしたことはあるだろうか。眼前のチャーシューは1枚1枚が肉厚な存在感を放っており、単体で食べればもはやステーキ。その大判をめくるとラーメンが “現実” として佇む…まさしく、これはステーキとラーメンを同時に食べているような状態。
それでいて、肉はあくまでも「チャーシュー」として加工されている。5枚の砦と麺を進んでいくと、溢れた肉片と麺が絡み、いよいよを以って最終形態「チャーシュー麺」に締結するのであった。
早食い体質の人はよく噛んでチャーシューの旨味を堪能してほしい。これでも足りない場合はライスを頼んでしまったら…焼肉定食+ラーメンとも云える凄惨な現場を迎えることとなる。これまで食べたチャーシュー麺ランキング堂々1位。ご馳走さまでした。
雪で埋まった路面でキャスターは全くの意味を成さない。シンバルを背負い、重い鉄の塊を引き摺ってどうにかバス停へ到着。やっとの思いで本日の会場 LOG へ到着。ケイくんと再会し設営開始。
フロアにドラムを置く案が実現できるのもワンマンならでは。じっくりと音作りを進めていく。スツールを重ねた土台にベースアンプを設置すれば “奇跡の鳴り” と言える LOG のマルチファイヴ・スピーカー・インスタレーションの完成。
ONE MAN EXHIBITION 2024 札幌編。ゲストには急遽 “徐福” が追加決定。つい先日東京に泊まりに来た昇太郎と話しが盛り上がってのオファー。通常は3人編成だがドラム + ベースの2人編成での初ライヴ。「終始気味が悪く・しかもバッドエンドのホラー映画」のようなおどろおどろしい暗黒の時間。
打って変わって KIYO さんはヒーリングワールド全開。スティーヴ・ハウを感じさせるクラシックなフレーズワーク。古の物語をモチーフにして作られた楽曲の解釈・ストーリーへの感性に脱帽。
ライヴ途中にお呼び込みいただき、KIYO さんの楽曲と THIN LIZZY のセッションを展開。「楽器の演奏は楽しい」という初期衝動の根源を色褪せることなく持ち続けている KIYO さんの懐の深さに魅了されっぱなしであった。
椅子が常設されている札幌 LOG で、今回のサウンドシステムはどのような働きを見せるか心配していた点もあったが、スタンディングであろうと席があろうと、いかなる会場でも成立することが今日のライヴで証明された。 LOG はオープンに鳴ってくれて本当に最高。持ち込みの GIANT BEAT も響き尽くしていた。規模でも名前でもなく、音の鳴り方で決めた今回の各会場に抜かりなし。お集まり頂いた皆さま、ありがとう御座いました。
終演後はさっくりと解散。KIYO さんに甘え尽くして、SILVERBACK の最新作を聴きながら昇太郎と共に車で送っていただき帰還。明日を見据えて国士無双にて晩酌を取る。
3月2日 (土)
バスで旭川へ向かう…はずが、吹雪により道路が封鎖されており運行状況が未定となる。主催者と連絡を取りながら急遽電車移動へ変更。足枷状態のスーツケースを引き摺りなんとか札幌駅へ到着。
岩見沢を経由して北上していく。幸いにも電車は通常運転しており、雪景色を眺めながらの旅も悪ない。滝川駅を通過して旭川へ到着。大きい駅だが改札機はまだICタッチに対応していない様子。
キョンくんにお迎えいただいて吹雪の旭川、MOSQUITO へ到着。看板は読めないが恐らくこの場所だろう。
他出演者も到着が遅れており、サウンドチェックは来た順に変更。大西さん、WATCHMAN と音作りスタート。謎のアンプが後方スピーカーとしてフラットに活躍する辺り、やはり MOSQUITO は素晴らしい。
開演までの隙間に雪道を独り、天金へ。外界とは関係なくこの日も予約で満員となっているそう。ルイベ・刺身・たらムニエル・国士無双にて、我こそ無双。ラーメン天金をハシゴし準備完了。
この日 “汚軽田夢子生誕祭” にお誘い頂いたのをキッカケに札幌のワンマンライヴが決まり、タイミングよく前後に誘ってもらっていた地方のライヴもワンマンへと変更…と、今回のツアーの起点となってくれた。
彼女に所縁のある人々が集まってのイベントは音楽は勿論、Hajime Kinoko 氏による緊縛ショーやタップダンサー SARO 氏率いる Venue Vincent、エアーギタリスト 宮城マリオ氏の出演などなど、人々との出会いを一纏めにしたような幅広さ。個人的には WATCHMAN とのドラムソロ共演が嬉しい。
KenKen の粋な計らいにより、最後の DJ GAKU ENDO とのセッションにも参加。文字通り総出演となり、熱狂のフロアとステージが入り乱れる。見たこと/触れたことがない新体験を得られるイベントは大変有意義であり、旭川MOSQUITO での開催に拘りと意味を感じられた。
終演後もDJタイムは止まらず、大西氏の AREA – Demetrio Stratos のソロにて締結。林幽玄さんとまさかの旭川で再会を果たし、SARO さんと未来の話しをしたり。北海道/旭川へ来るきっかけを作ってくれた夢子ちゃんへ多大なる感謝を。
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旭川に宿泊して翌日、スープカレーを堪能して、昨日は魑魅魍魎として現れていた大村ちゃんと合流。札幌まで送ってくれるというネ申待遇を受け、話しをしながら道中よく話す。こうして札幌へ帰還。(多謝) アンディーさんも来てくれていて昇太郎宅での最終夜。活動形態は1人だが、多くの友人と仲間のサポートを経てライヴ活動とツアーが成立している。
明くる昼にチャーシュー麺を醤油味でアンコールし、新千歳空港へ。
こうして大阪は伊丹空港へ到着。#STDRUMS【ONE MAN EXHIBITION 2024】関西編スタート。
#STDRUMS
ONE MAN EXHIBITION 2024
*U-23チケット:数量限定。当日身分証明書をお持ちください。当日券では適用されません。
▶︎チケットはこちらから◀︎
GUEST : 伊邪那美 (岩本大紀&渡邉茜) / BANBI
2月23日 (金祝) 仙台FLYING SON
GUEST : sugarman
3月1日 (金) 札幌LOG
GUEST : KIYO / 徐福
3月6日 (水) 大阪SOCORE FACTORY
GUEST : モックン (DRUMONDAY)
3月7日 (木) 京都RAG
3月9日 (土) 名古屋HUNNY-BUNNY
3月20日 (水祝) 博多四次元
GUEST : Bellbottom from 80’s / DJ : SHOW-1
4月7日 (日) 渋谷RUBY ROOM
*WITH BAND SET
それでは、続きはwebで。チーン。