2月21日 (水)
突発的に会う友人から前日連絡があり、STOP MAKING SENSE を観にいくこととなった。説明不要の名作は何度観てもよいものだ。チケットの予約を相手に任せ、いざ劇場へ到着すると、入り口に看板が掲げられている。「立ち上がる・声を出す・踊る」を許可する【オールスタンディング(発声OK!)上映会】につゆ知らず来てしまったのである。https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/134621/2
場内はほぼ満席。いざ上映が始まると…予想に反して前方の方々が立ち上がり始める。我々も腰を上げ、若さと才能に満ち溢れた4人とサポートメンバーによる饗宴を嗜んだ。
上映スタンスを知らなかっただけなので、スタンディングで観る STOP MAKING SENSE も悪くはない。曲が終わるごとに歓声も聞こえてくる。…歓声…?
音楽を聴いているとき「思わず声が出てしまう瞬間」はある。私が耳にしたものは、スクリーンに映るバンドには 100% 届かない “歓声” だった。自身を鼓舞するためか、はたまた周囲を盛り上げようとしてくれているのか…?
歓声や拍手とは、目の前の表現へ届ける賛美だと思っている。小規模であれば直接届き、会話に発展することもある。会場が大きくなろうとも、自分の声が大勢と重なりエネルギーとしてステージへ届く。大きなスクリーンと音響で体感するライヴ映画の金字塔は感情を揺るがしてくるが、あげても届かない声が聞こえてくる空間は (録画されたテープに話し掛ける習慣などがない限り) 異質だった。
上映のホームページを見ると【OK行為】と【禁止行為】が細かに書かれており、コスプレはOKだが視界を遮ってはいけないらしい。David Byrne の動きを「振り付け」として従う人々も多く、「振り付け」は『最も安全にやっていいこと』だから人気なのだと推測する。
静かに座って観たければ「スタンディング上映」を選ばなければいいだけなので、私の好みに合う合わないなど知ったこっちゃない。だが、平日にも関わらず満席の場内。需要のある人気コンテンツなのが驚きだ。命を削ってお送りする生身の「ライヴ」は平日で2000円 + ドリンク代。水曜日に1300円で入れる映画館は、繋がっていない空間のメンバー紹介に湧き上がっていた。国民性。沸点。妄想。そして需要。人も時代も変わった2024年。GAUZE の『言いなり』のような気持ちを友人と共有する夜は更けていく。
2月23日 (金)
朝5時起床。バスではやはり眠れず、13時前に雪が残る仙台へ到着して即半田屋。祝日か時間帯か、なにやら異質な混み合いを見せている。気軽に入れるから半田屋じゃないか。今夜のエネルギー消費に向けてカツカレーと豚汁。
14時過ぎに FLYING SON へ到着。ドラムライザーが導入されており、鉄壁のスタッフ陣と共に設営を始める。センター真ん前にドラムを設置するだけで充分にカッコいい。ベースアンプのバランスを取るために上手へ MARSHALL を置いてみれば…前方向4つ、後ろ2つ。マルチファイヴを超えて【マルチシックス・スピーカー・インスタレーション】の完成。ツアー2本目にして辿り着いてしまった。
かれこれ3〜4年の付き合いとなったゲスト:sugarman は今日のライヴを経てベースかつやが脱退し無期限活動休止とのこと。終わりは始まりに繋がっている。特別にせず、いつも通り淡々とライヴをする姿こそが彼らの魅力だ。スイッチが入るように突如として降り掛かる狂気。彼らは FLYING SON の “ハブ” だと思っているため、またフラリと再集結してくれることを祈ろう。(↓我々の初手記事)
20201120 #STDRUMS + sugarman + 地底人 + 晴山 〜RICH FOREVER AUTUMN JAPAN tour 2020〜 仙台FLYING SON
FLYING SON は音楽に対する純粋な情熱と興奮が宿る会場。音楽を求め、楽しむ人々が集まる空間で演奏の機会を与えてもらえる。目の前でのライヴとはエネルギーの交換であり、人同士のコミュニケーション。映画館で受けた「虚無感」の正体は一見フレキシブルに受け取れる、自由とは程遠い非接触な妄想空間。
逐一の展開を機敏に受け取ってくれるフロア。追いかけてくれる音響と照明。フットコントローラーの操作ミスも「展開」と言い張るパワープレイで完遂。sugarman のお陰で多くの人に集まってもらうことができた。大感謝。
モンちゃん (10万降ろしたらしい男) は珍しく FATALITY。カツヤ、ヒロヤ、ガッキーらと破壊を極めて夜を締めた。明くる日も半田屋で締めて東京帰還。
2月25日 (日)
大塚 Welcome Back にて、Ta2 さん主催の “SELFISH SESSION vol.2” へ出演。Yngwie, Impellitteri, Winger などなど日常生活では出てこない横文字が矢継ぎ早に登場する空間にて #STDRUMS。限られた転換時間で音響をどこまで詰められるかが課題となった。
コピーバンドなのかオリジナルなのかは重要ではなく、出演者・企画者の晴れ舞台となる瞬間に人は集まる。日常的にステージを踏んでいれば客数がバラけるのは当然のこと。速弾きであればあるほど大切にするべきは音抜け。BELLFAST Koh さんと久し振りに再会。終演後は EARTHDOM にて函館night の終わりに潜り込み、昇太郎を引き受ける。
2月26日 (月)
荻窪 Top Beat Club にて KLEPTO サポート。都合によりサウンドチェックなしの本番のみ。Cavern Club を模したようなレンガの作りで、リッチな内装。吸音しないため、今日という日こそサウンドチェックをした方が良かったのもまた事実。企画の成田さんと色々お話しする。線路の反対側への横断に苦戦して帰還。肉をよく食べた週間。
2月27日 (火)
横浜 Thumbs Up にて modern animals 主催 “modern zoo” へ #STDRUMS 出演。関内や中華街へは行くが、横浜駅に降りたのは初めてではなかろうか。水路が多くて目的地への到着が難しい。ディスクユニオンは HELLOWEEN が爆音で流れていたので最高。
会場は席に囲まれた抜群の内装で、手練れのスタッフ皆さまが空間作りをサポートして下さる。実験の一環で持ってきた 20′ Leedy のスネアサイドが本番中に破裂。キックのスパーが上手く床材と噛み合わず動きまくってしまったものの完遂。エクスペリメンタルな共演を Thumbs Up に集める姿勢が正しい夜。
ワンマンと並行して日々ライヴと充実する2月後半。それぞれの夜が持っていた答えと現実。この国に於けるライヴミュージックの意味と価値。幾多のバンドやミュージシャンが歩みを止めているいま、解決を模索し、腐らず進んでいこうぜ。ツアーは北海道へと進んでいく…。
#STDRUMS
ONE MAN EXHIBITION 2024
*U-23チケット:数量限定。当日身分証明書をお持ちください。当日券では適用されません。
▶︎チケットはこちらから◀︎
GUEST : 伊邪那美 (岩本大紀&渡邉茜) / BANBI
2月23日 (金祝) 仙台FLYING SON
GUEST : sugarman
3月1日 (金) 札幌LOG
GUEST : KIYO / 徐福
3月6日 (水) 大阪SOCORE FACTORY
GUEST : モックン (DRUMONDAY)
3月7日 (木) 京都RAG
3月9日 (土) 名古屋HUNNY-BUNNY
3月20日 (水祝) 博多四次元
GUEST : Bellbottom from 80’s / DJ : SHOW-1
4月7日 (日) 渋谷RUBY ROOM
*WITH BAND SET
それでは、続きはwebで。チーン。