アルバム “JUST A PHENOMENON” と一対となる形でリリースされた映像作品 – LONDON THE MOVIE – どう扱うかを友人と話していると、「爆音で上映できたらいいのでは」というアイディアが出てきた。まるで現地ロンドンへ旅をしてしまったような体験ができる本映画を大きなスクリーンで流してみたい。
そんな要望に渋谷 7th Floor が応えてくれた。店長AGEPOYOは彼がユタカくんだった頃から(?)の付き合いで、2日間の開催・バー営業を予定している日にイベントを組み込んでくれただけではなく、片方はイベントとして形も作ってくれた。
上映に加えてライヴも決まったわけだが、「普段」の演奏は既に映画のなかで披露してしまっている。同じ曲を演奏するわけにもいかないだろう。そのとき連絡を取り合っていたのは福島エンジニア。LOTUS ROOT のレコーディングを経て、USAへの渡航など近いシンパシーを感じ合っていた我々が出来ることを模索するため、約束の地、善行Zでのリハーサルを敢行。
こうして2人仮想体制での #STDRUMS。様々な機材を持ち込み音を出し合う一方で、それ以上にやりたいことや考え方の共有に時間を使った。全てが自身の意思で動いてしまう “ソロ” を他人と共有する難しさよ。支離滅裂となってしまう言動を福島エンジニアは冷静に受け止めてくれた。2日目のリハーサルはゆうに11時間を超え、実験の余白を残した状態で本番を迎えた。
初日の3月23日。生憎な天候のなか、組み込んだ楽曲データの操作方法の確認を中心にサウンドチェックを進める。8年前に #stdrums をストリートで始めたとき、パソコン操作をしながら演奏する日が来るとは思っていなかっただろう。
上映のテストも必要となる。映像を取り込んで再生すると…想像を超える爆音!いやはや、こうでなければ爆音上映会とは云えない。スクリーンも色彩が綺麗に出ており本番への期待が高まる。複雑な配線も福島さん・エンジニアさんと2人でこなして下さり準備は完了。
共演には Tommy Bass, Aftermaths of the perfect horizontal urban development が参加。SP-404とルーパーを駆使したベースソロと、自らを「長い名前」と切って出るMCのユルさとフルピッキングでリードギターを弾きまくる鋭いインストルメンタル・バンド。“People = Shit” っていかにも英語的な表現だなぁ。と、なんでだか家を出るときに頭に浮かんだ雑念がまさかMCでも登場してくるとは思ってもいなかった。疎通が過ぎる。
Zu-kkkker と ENDON taroくんによるB2Bはツイートを見てくれたのがきっかけでハードコア・グラインド祭り。ドラマーの作品らしいこの曲が最高だった。
こうして21時から上演。渋谷がロンドンのパブと繋がり、曲間にフロアからも拍手や声が上がるのが嬉しい。ライヴは #stdrums として初めて曲となった “funkeypiano” 2小節のループ音源が繰り返されるだけのシンプルなトラックを8年越しの回答として持ってきた。フレーズを部品として、別のループ素材を混ぜながら有機的な進行をしていく。
2日目の27日は急遽同じエンジニアさんが来てくださることとなり、セッティングもよりスムーズに進行。パソコンを置くテーブルなども会場によって違うことになってくるのであろう。
この日はバー営業だったため、折角なのでアナログを持ってきて掛けっ放しのゆるゆるDJを担当させてもらいつつ、映画は20時から上映開始。編集をして下さったNOLUCぬくいさんもご来場され、パソコンやケータイなどのデバイスと、大きな音響で再生したときの音質の特性の差を共有できたりとフィードバックも大きい。
そして2日目のライヴは “side fallen” を解体しての再構築。初日が即興性を重視したものに対して、楽曲のテーマとキメを加えてセッション要素を増やした構築を作成。ソロではなく2人組の「バンド」としての一歩を踏み出せた実感を持てたライヴだった。
爆音上映会という構成を経て生まれた新たなる可能性は、この2日間を目撃してくれた少数精鋭のオーディエンスへ送る。#STDRUMS は今後も #STDRUMS としての名義を変えずに進行していくだろう。次またどういった形で現れるかをご期待くだされば幸いです。経験を胸に、4月からツアーが始まる…。ご来場ありがとう御座いました!
– LONDON THE MOVIE –
#STDRUMS / JUST A PHENOMENON
50分フル映像を YouTube にて絶賛公開中。
それでは、続きはwebで。チーン。