ブルガリア・ソフィアで開催された “Big 4” では、MEGADETH のライヴが始まるや否や会場を大雨が襲う。全ての “現象” とはあらゆる原因と偶然が重なった結果に過ぎないが、それにしては「余りにもよくできている」説明しようともつかない瞬間を人は運命や奇跡と呼ぶ。
京都METRO での自主企画【RICH VINYL WEAPON】にて、PC へ “悲劇” が降りかかった。2日後には大阪でのライヴが控えている。せめて東京に戻るまで持ち堪えてもらう必要がある。
電源を落とさないまま翌日にスタジオ入り。ちらついていたディスプレイもすっかり落ち着き、なんの疑問を持っていないかの如く通常運転していたので、うっかり片付けの際に電源を落としてしまった。日常の慣習が、私を再び絶望の淵へと叩き落としたのである。
恐る恐る電源ボタンを押す…。
“ジャーン”
リンゴのマークをあっさりと出現させ、見慣れたデスクトップが表示された。結局、蒼白い表情を見せたのは昨日のサウンドチェックの瞬間、ものの60分足らずだけ。「余りにもよくできている。」
2月11日。電車の遅延などありながらも15時過ぎに心斎橋 CONPASS へ到着。既に強烈な轟音がフロアに撒き散らされている。一昨日の METRO 同等スピーカーに囲まれてた仕様となっており、パラでの出力が可能とのこと。
セッティングも滞りなく進行し、PC も問題なし。だが一度失った信用を取り戻すには時間がかかるものだ。電源は落とさずにステージ脇へと待機させてもらう。食事を取って戻れば開場。
“BOSSS RUSH ATTACK”
本イベントが決まったために関西へ、そして京都での初企画が誕生したわけである。出演者の気合いも強く感じていた今日、オープン直後から DJ TARACHINE が鳴らす爆撃のようなアーメンパンクで激しく回転していく。DJブースとステージで挟まれたフロアでのライヴも含めた3ステージを休むことなく音とBPMで埋め尽くす、ある種の拷問のようなタイムテーブル。
それぞれ核となる『狂い』がある出演陣のなかで、特段 sato♡shin のライヴは遠慮も容赦もない『狂い』そのものであり『ドラムソロという若干特殊な編成である自分』という座標は、この瞬間に平然と正常へと打ち戻されたのである。私にはまだ、狂いが足らない。
#STDRUMS の出演は8番目。3時間以上も轟音で埋め尽くされた会場内で、スウェーデン出身 DJ XÄCKSECKS のアウトロを引き継いでライヴ開始。関わり合いたかった空間での演奏は嫌が応にも力が入るが、引き算的な演奏を心掛けた。トミーくんが狙っていた出演順の思惑通り、地獄から天へと引き上げ、フロアとコミュニケーションが成立した夜。視野の広がりは大きい。
演奏後物販へ出ると、オーディエンスから “ネムレス活動6周年” が祝われていた。この空気感もなんだか懐かしい。久し振りにお会いする方々もチラホラ。
終演後は打ち上げ会場を探すものの難航。XÄCKSECKS エミルはヴェジタリアンということで、最終的にええかんじ食堂で融通を効かせてもらった。スパゲティーが4皿並べば BLACK FLAG 盛りとなる。
徐々に人も少なくなるなか、TARACHINE a.k.a. タラちゃんは元々ドラマーであり共通の知り合いもわんさか出てくる。トミーくんお馴染みのお店にもお邪魔し、筋トレと姿勢の作り方を教えてもらい、三角公園で緑茶割りを繰り返せば朝8時。これぞブレイクコア。音の上でも狂っていこう。こうして関西2本のライヴは終了。
翌日はツカちゃん、oi.ちゃんと冬のフグを堪能。偶然都合が重なったアラヤンと大阪の街をふらつきながらシュールな写真を撮って歩く。呼鳴手氏のタイミングが合ったため関西へもう一泊。
京都で記憶を飛ばしたグレンリベットと再会、春に向けての計画などを共有してツアーを終えた。京都、大阪へご来場いただいた皆さま、各地でお会いした皆さま、ありがとう御座いました。
ところで #STDRUMS とは、見ての通り名前にハッシュタグが付いている。それは9年前にストリートで始まった活動、写真や動画をハッシュタグでSNSへとアップロードしてくれることを求めており、それは今でも変わらない。このイベントでは多くの人が投稿してくれてありがたかった。
それでは、続きはwebで。チーン。