1月1日は元旦ではなくライヴだったため、年を越すタイミングを失ったレルレ。深めに掛けたディレイは年賀状へと繋がっており、2022年に残した全ての仕事を終えたのは誕生日の1月4日。
鯛のアラを炊いて湯豆腐を嗜んでいたそのとき、突如として寒気に襲われ早めの就寝を余儀なくされた。
思えばロンドンから戻ってきた7月から回転し続けた日々。気持ちの油が断たれた束の間であった。オーバーヒートした身体を冷ますかの如く数日間寝込む。なんとか動けるようになり土曜日にスタジオへ向かうと、宇宙飛行士が地球へ帰還すると歩けなくなるように身体が重力に抗えない。数年振りの体調不良は精神的にも堪えるものがあった。思考の整理として有意義な時間だったとも言える。
日曜日。あれだけ着込んでも寒かった日々が嘘のように汗ばんでいる。前乗り名古屋デッドリー飲みも叶わず、東京からダイレクトに星ヶ丘へ。記憶にまだ新しい順路で ROCK BAR UK へ到着。
昨日のスタジオでの動きの鈍さと『病み上がり』が手伝い、気持ちの余裕を持てず進行。前回もあったハイハットクラッチの不調や、細かい機材調整をしていると自分のリハーサルに割ける時間が無くなってしまっていた。皆さんのご協力のお陰でなんとか終わらせる。
食事をどうしようか考えていたところ、カレーがあるじゃないか。UK はフードも幅広く扱っているのがライヴバーとして嬉しい。マサトさんとロンドンや昨今のアレコレを話していれば開演。冬のUK は楽屋が冷え込む。
【オナジアナノムジナ vol.20】
ひょんなきっかけでマサトさんと主催の豆狸:トンさんを繋げたところ、前回8月に開催以来連続での出演依頼を頂いた。ETERNAL ELYSIUM オカザキユキトさんにドラマンデーでもお馴染みのMürMür:ケンタロウさん。HIRO VICIOUS THE DEAD EXPERIENCE は前回も共演しているため、全員知り合いというホーム感が助かる。
1番目豆狸は「気に食わねぇ!」という(楽曲内での)声から始まり、この叫びこそ世の中へ向けた全てなのではないかと感じられた。楽曲ごとに練られたフレーズは『ドラムソロ』である明確な理由がある。オカザキさんのソロを聴くのは初めて。周波数の魔術師・心地よい音階が並び続ける時間。自身の世界観を存分に、鋭角に提示してくれる HIRO VICIOUS THE DEAD EXPERIENCE。彼の提示する Revelation がフロアを燃焼させる。
#STDRUMS は4番手。こうなったら身体に負荷を掛けてみようと長袖での演奏。予想通り袖が邪魔になった。SATURATIONS を終えると右親指に深い傷が入っており、曲を中断することも出来ず流血と付き合いながらのステージ。スネア・スティック共々血だらけになりながら、一定経過後の白血球の活躍っぷりに関心。無心に叩き続けることでまた新しい発見があったように思える。真冬ながら灼熱空間となった会場で頭を働かすことは不可能。汗だくにて無事、完全復活。VOIDD オカジーさん、ノリオさんとも実に10年以上振りの再会できてよかった。
MASATO MURAKAMI はよりノイズに深度を増したステージ。同じドラムキットを用いて文字通り「三者三様」のドラムソロを体験できる今日。そして最後は MürMür。ハードコアパンクで締めるのがオナジアナノムジナ式。次々と放たれるショートチューン、ベース:バズーカさんの圧倒的存在感。この会場規模でキャビネット2段&ワイヤレスという意気込みよ。ケンタロウさんお気に入りの16インチKジルジャンハイハットは、生音のみの環境に於いて全てのポテンシャルが吸収されており最高だった。
トンさんがステージで言っていた「誰でも表現できる場所を作りたい」という言葉通り、それぞれの自由な表現をポジティヴに受け取れる会場はすっかり満員。「目当て」ではなく「なにか面白いもの」が常に鳴っていた夜。今後は規模の大きい会場での企画も検討しているそうで、回数を重ねることでイベント本体が舵を取っていく状況は理想的と言えよう。
終演後は会場でそのまま打ち上げ。ユキちゃんと息子とで現代の話しをしつつ、ケンタロウさんの話しの上手いこと…飲食店ならではの視点から言葉を選ぶ大切さを得られるのだから、やはりライヴハウス・バンドコミュニティは面白い。コミュニケーションを重ね続けて25時頃に解散。MürMür:アンディーさんの運転で John & Yoko よろしくはしゃぐ2人。90年代オルタナのジャケットみたいな写真が撮れてタツくん邸へ帰還。お世話になりました!
METALLICA – A YEAR AND A HALF IN THE LIFE OF を経て、またやってしまったレニングラード…
というわけで翌日は豪華に山本屋本店にて名古屋コーチン&牡蠣味噌煮込みうどん。エネルギーの塊をご馳走様でした。ご来場頂いた皆さま、ありがとう御座いました!
それでは、続きはwebで。チーン。