複雑に積み上げてしまったテトリスの空白を1つずつ埋めて平らにしていくような年末感。先延ばしてきた業務(というかブログ)を進行しつつ、27日に向けての製作とスタジオワーク。CDジャケットは一部ダブル・ヴィジョン版など、特典の準備はイベントの接近を実感する。
前日、横井翔二郎とスタジオへ。確固たる意志で全力でピッキングさせることのみを伝え、終えたあと製作業に付き合ってもらう。この辺りはじき更新される【スーパーダイナマイトハウス】をお楽しみに。やや夜更かしをへて解散。明日に備える。
27日(火)、おい。今日の朝に上で解体作業をやるんじゃない。以前もこういった事態に見舞われたような気がする。何より大切な安眠を奪われ、MEGADETHの新作アルバムを爆音で流しながら無理矢理うたた寝。
色々なやり残しに目を伏せ、15時過ぎに渋谷RUBY ROOM へ到着。フクちゃんの掃除姿は今日の始まりを意味している。既に会場入りしてくれている翔二郎へ特典CDの封入をお願いしつつサウンドチェック開始。デュアル・サウンドにしてから初のRUBY ROOM であったが、躊躇なくセッティングは進行。ヴァージンシェルのキックでタムの配置が難しくなるのもRUBY ROOM 恒例行事だ。次第にゲストも集まってきて、紹介をしつつ進行。
慣れない環境・状況・エフェクターなどを乗り越え、終われば30分以上押している。巻き添えをBi-syu に喰らってもらいDJなどの動作確認。別未来孔版から直行便で届いたTシャツをスタッフ小田伸泰へ任せていると原ちゃん・カミくんも「バンドたたみ」に付き合ってくれた。
イベント進行は準備10割。POLY-RYTHMO をスピンして開場した18分の猶予の間、買ってきてくれた牛丼を流し込みながら今日の曲順を組み立てているとソフトのエラー発生。小田ちゃんと原ちゃんはすっかり盛り上がる最中ぎりぎりの聴牌。10分の遅延を経てようやくの開演となった。
RICH FOREVER TRADITION 2022。昨年と同じ日程で開催された風物詩第2弾。ツーマンでの開催は3回目となる。全てその場の即興で進めていた Bi-syu であるが、私の希望で今回は宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を事前に共有しての上演。1曲目だけは決めておいて、あとは全てアナログレコードでの即興BGM。景色の進行役という位置付けで本を読みながら音楽を流していくものの、2人の本はテキストレジをしているため、飛ばされる展開に間に合わない瞬間もしばしば。ランダムに掴んだ盤をその場凌ぎで流すと、先入観ない2人のフラットな受け入れ態勢ですんなりと場面へフィットしていく。この支え合う姿勢はバンドそのものじゃないか。
夢の間を OCEAN OF TENDERNESS で繋ぎ、冨田勲 – 月光 (他の曲も多分に大活躍) と ROCK ’n’ ROLL SUICIDE が今晩のハイライト。随分前にジャケ買いしていた Bill Nelson がここまで有効活用できるとは思っていなかったな…。青く澄んだ世界は想像以上の混沌を呼び込み、物語(言葉)がただ悲劇と未来を呼び込む「事象そのもの」のような時間であった。WONDERFUL.
ライヴ3回分くらいのエネルギーを消費して脳内沸騰。頭を使う余裕がなければ身体が勝手に動く、そのためにスタジオワークを重ねてきているというもの。修行状態でのステージはロンドン・日本ツアーの総括。思い返せば走りきった下半期、それは私にとって険しい道なりであった。夢ではなくこの眼で見てきた『現実』から程遠い、それもまた『現実』に苛まれ続けた半年間。レコーディング以来の原ちゃんとのセッション、そして実に7年振りらしい親友とのライヴ。キャリア・経歴など関係なく全て平等になるのがステージでありライヴハウスである。アンコールはサウンドチェックすら出来なかった(スマソ)翔二郎のギターと河内さんのヴォーカル(詩)にて 21st Century Schizoid man. 2022年、私は1969年の魔力をまだまだ拝借することになりそうだ。
ライヴとはオーディエンスと共に作り上げられ、フロアからの熱気はステージへ面白いほどに飛び火していく。風物詩として2回目、慣れ親しみと進化を並行して感じられた夜だった。本来の企画 RICH FOREVER SEMINAR の開催が延期してもう2年と経とうとしている。最高のスタッフと心から尊敬する共演に囲まれ、RUBY ROOM の柔軟な応対力にも改めて感服。今日から発売のイベントTシャツもご好評いただきありがとう御座いました。
全てを終えてレコードを好きに流させてもらいながら飲んでいると、Defenders of the Faith が流れ始めた。翔二郎め、またいい盤を手に入れたみたいだな。そんな私のお気に入りアルバムは彼からの一足早い誕生日プレゼントとなった。溶けた私と気付けば小田ちゃんと朝方。年末の大仕事はこれにて終了。お互いの経験値を積み上げ、また来年同じ場所で会えることを願うばかりであった。イベントTシャツは若干枚数通信販売予定ですのでお楽しみに。
それでは、続きはwebで。チーン。