11時にチェックアウトを済ませ、喫茶店を探し歩くと『ミミ』に遭遇。この佇まい。
水道水が美味しい熊本の喫茶店は如何に…テーブルの曲がった箇所に着席。タイムスリップしたかのような内装と、インテリアや小物が1つ1つ趣きがあり、大変居心地がいい。アイスコーヒーと一緒にパソコン作業をしていると次々に常連さんが集まり、ジャズ・スタンダートが流れる店内で絵に描いたような井戸端会議が始まった。またゆっくり訪れたいところ。
12時前に nt と合流し、昨夜の記憶を回収しながら熊本駅へ。構内のお寿司屋さんでセットと馬刺し。昼から飲み始める相方を眺めつつ、電車の時間まで少し余裕があったためUSBケーブルとお土産の醤油探し。フードコートのようなスーパーマーケットにて無事熊本産の醤油を入手。ツアーとは重量あるお土産を数週間連れ添うことを意味している。
13時過ぎに券売機へ。出発時刻ではなく、800系に乗るために細かな時刻表をチェックしているnt。
いま、万感の思いが現実へ。
強い拘りの理由は内装にあった。気品あるデザインに、あくまで使用を前提とした機能美が兼ね備えられている。デザイナー水戸岡鋭治さんへのリスペクトが800系を選んだのも納得である。この人とのツアーで起こる嬉しい発見の1つ。
僅か30分ほどで福岡へ到着。こう見比べると福岡は充分に都会だ。博多四次元まで移動するタクシー内では何とも煮え切らないフュージョン音楽が流れている。この手の音楽はフレーズというより音選びが分岐点になるのであろう。少しパソコン作業などで時間を潰し、15時過ぎに会場入り。
セッティングの具合も少し手馴れてきた。センターに寄せることでツーマンライヴの印象とそれぞれの演奏とが共存できる。ガムテープでがっちり積み上げ固定したハコ馬の上にギターアンプを設営し、上から音が飛ぶように組み立ててくれた。店長であり音響のケイタくんの細かな気配り・DIYとの共存から生まれる提案によってフロアがデザインされていく。nt のサウンドチェックの隙に思い付いた楽曲のアレンジ。
物販の設営を終えて、18時過ぎにDJ SHOW-1 くんと蕎麦ウエストへ。沖縄での遭遇も経てこの日にたどり着いたことをまず祝わねばならない。この店舗には刺身の提供があり、安価で非常に美味しい。蕎麦もさっくりと頂いて彼は銀行へ。先に帰ろうとしたら無事に道に迷い19時オープン。3人のDJがフロアを温めてくれて20時にライヴ演奏が開始。
気分
落ち着いている。希望的観測。
ギグ
nt:冒頭に急遽セッションを挟んでからスタート。ホームを作るのが上手い人だ。対バンの無いツーマンイベントの今日、フロアの空気感をグイグイと引っ張っていく。5曲演奏。
#STDRUMS:1年前に会ったときとは比較にならないほど音楽への傾向が見られたKevin のDJから繋げてのステージ。クラックが修正されたシンバルもよく鳴ってくれる。冷静な音量コントロールと引き換えにやや実験色が強く出た。Roni size – Brown Paper Bag のデュアルアレンジと、moonchild のアレンジを繋げたテイクを初演奏。フロアの密度とMC。アンコールにmind the gap。
人と交流することで大まかながら自分自身という座標を立てられる。いわゆる多様性・ディベートというのはお互いに握手をしながら、憚ることなく多様な意見ではたき合うようなもの。即興など『より印象派な表現方法』と、ここ日本で扱う『多様性』の難しさに近似性を感じる。私は表現を言語として扱い交流していきたい。
終演後もDJ による音楽を楽しみながら片付け。ベタベタな選曲を曲げない SHOW-1 くんの気前がよい。荷物を纏めてケイタくんとタクシーに乗ると、UTERO の前に人だかりができている。言わずもがなケイタくんの友人たちで、折角だからと少し店内を覗いていった。正直、2年前に出演したときと全く違う印象となっていて驚いた。2つの若手バンドが現在UTEROを盛り上げようと牽引しているらしい。すぐさま仲良くなれて今後の展望に繋がる。非常に嬉しくて意味のある出会い。
こうして打ち上げ会場の『猫と月』へ到着したのは25時過ぎ。完成間近の nt と九州の仲間たち・繋いでくれた新しい人々で盛り上がっている。閑静なバーでありながらシンプルで熱々なラーメンが有名というお店。
ウイスキーを嗜み、逸品で〆からの曖昧な記憶。様々な人々の恩情を受けて生きている。
それでは、続きはwebで。チーン。
RICH FOREVER TRADITION 2022 開催決定!#STDRUMS + Bi-syu (河内大和×横井翔二郎) 12月27日 渋谷RUBY ROOM