Bristol は Richard 宅にて朝7時に起床。Rich も起きてくれていた。昨夜に荷物は纏めていたのであとは家を出るだけ。庭を眺めたりしつつバス停まで共に向かう。
Oyster Card の対応はしていないが、現金でも対応してくれるらしい。相当愛想の悪いドライバーの Brisol 訛りを聞き取る努力をしつつ£2.2 を支払い乗車。宿泊から朝早くまでありがとう Richard! また必ず会おう。
こうして8時過ぎに Bristol Coach Station へ到着。遂に必殺の Cheers Drive を放ったところで反応は勿論ない。Greggs でソーセージパンを朝食にしつつ集まるカモメたちに別れを告げる。
ほぼ満席に近い混み具合のバスへ8:30に乗車。何故かこのバスは他の便より少し早くロンドンへたどり着けるそうだ。Earl’s Court で降りたかったもののニッチなバス停を見逃し、結局11時過ぎに Victoria Station へ到着。UNDERGROUND で北東へ。
Aldgate East からの経路が懐かしい日曜日。Brick Lane Market へ向かって歩き始める。キャスターもギリギリ持ちこたえてくれている様子。
メインスポットは(先週とは別の)バスカーが既にいて、14時頃まで演奏したいとのこと。いい人だったが、そろそろ “Why you sing a Bob Marley” とでもタイトルを付けたバスキング書物を発行したくなる。隣のコーナーまで移動してセッティングすれば早速近くの屋台の方から「もう少し奥に行ってくれ」と要請を貰い、適度に位置付けてゆっくりとバスキングスタート。
数十分演奏するとさきのバスカーが機材を畳んでこちらまでやってきた。もう終えてしまったのかと思いきや、どうやら音が干渉してしまっていたらしい。これは大変申し訳ない…しかし幸いにも悪い印象は与えていなかったらしく、むしろ後日一緒に音を出そうを言ってくれた。「火曜日には帰ってしまうんだよ」もう何回断ったのか数え切れない。But why you (略)
と、いうわけで…少し後ろめたさもありつつ、メインスポットへ移動。13時前から演奏を再開していると、何やらフルキットの機材を運んでいる集団が見受けられる。少し嫌な予感…。
案の定交渉をしてくるわけだが、こちらもこちらで人を待っているし他の場所も空いている。しかし彼らは「ここで14時から演奏しなければならない」という。そして “45分で場所を変える” という自治体が発行するローカル・ルールを引き合いに出してきた。嫌な予感とは、彼らがバスキングという文化から程遠い存在であること。路上ライヴに頼ろうとしている人々がカルチャーを破壊していく矛盾。
ちょうど隣のレストランから苦情が入ったタイミングの最後の1曲で、持ってきていた CD 2種類は完売。こうして彼らのバンドへ場所を譲った14時頃、13時に着くと言っていた Javi たちと合流。イレギュラーゆえに仕方がないが歯痒いことをしてくれるね。彼らが Brick Lane を離れたのもこういう輩が現れるようになったからだと言う。
とりあえず場所を移動するも既に疲労困憊のレルレ。マーケット奥で場所があれば演奏をしようと、先にスポット探しに向かってくれた。さて例のバンドは本当に14時から始めて、45分で場所を移動するかな?苦情を警戒しているのか、30分経過した今でも音は鳴り始めない。
着信があり、チェスマン近くのスポットを押さえてくれていた。他の店舗も近いため音量に気をつけて演奏しようねと合意。こうして ZURITO + #stdrums でのバスキング最終日。軽快な演奏が始まれば大勢の観衆に囲まれ、複雑な心境を抱いていようが演奏こそが全てをポジティブな気持ちに向かわせてくれるのだと再認識した。
聴き覚えのあるメランコリックなフレーズを耳に入ってくると、到着初日の The Old Dispensary から OFF THE CUFF, Hercules Pillars での ZURITO ライヴ・飛び入りさせてもらった Sevilla Mia・29日のライヴへ向けての準備・そして本番。彼らとの軌跡が走馬灯の如く頭を駆け巡り、これまでの演奏が今日というこの日に集約されていることを実感した。音楽と共に歩んできた旅だった。涙腺の緩みは純粋な音楽への私自身からの心からの感想。曲を終えるごとに湧き出る「今日は素晴らしい」という共感は、彼らのみならず自分自身にも当て嵌まると自覚が持てるものであった。
しかし忘れてはならない。恐らく最初に「小さい音でやるから頼むよ」といった交渉を入れていたのだろう。言うまでもなく Javi はヒートアップし、音量コントロールを忘却の彼方へすっ飛ばしてしまうお陰でチェスマン(但し彼は我々のことを本当に理解してくれている)からいよいよストップが入ってしまった。16時過ぎ、今期のバスキングを完遂。
向かいのスペイン料理屋さんからはパエリアとガスパッチョを頂く。なるほど、これを Javi 達は作りたかったんだな。ガスパッチョは少々生ぬるくて不安な味だが飲みきってしまおう。閉店割引でなんとか完売させようと男性スタッフの客呼びがなんともチャーミングで笑いが絶えない。
クレープ屋での小銭の両替。チュロス屋の Tom は遂に関係なくチュロスを与えてくれるようになった。皆さんまた来年。Javi たちと家での合流を取り決めてレコ屋へ。買い逃しを回収し閉店の18時に地上へ出ると、ちょうど服の仕事をしに来ている日本人の方と会い、少し話す。
大阪出身で、ニューヨークを経てロンドンに来たという彼は既に日本に戻りたいという。業種によって持っている視点が違うのかもしれない。スタートアップビザという制度を教えてもらいつつ、価値観を共有して解散。
20時過ぎに Javi 宅へ戻りシャワーを浴びていると彼らも帰ってきた。今日はこれから Marc たちと公園で会う約束の集合時間を20:30にしているらしい。バタバタしながら30分足らずで雑な食事を作り、焦りながら準備をしている。ここで三度の質問「何故余裕を持って集合時間を設けないのか。」
大前提「こういう計算が頭に浮かぶのが日本人」だと自覚もしつつ、遂に得られた回答は「相手を待たせてしまう可能性があるから」という。相手に寄り添いたいと考える結果、過剰な煽りを自身に課し結果的にも遅れてしまう。彼らに肝心なのは着地点の結果ではなく、至るまでの過程だったわけだ。スマートではないが、価値観としては理解できるものであった。すまないが私は余裕が欲しいので21時過ぎに向かうよ。この後彼らからは「結局向こうが5分遅れてきたぜhehe」と連絡があった。This is 国民性。
というわけで一息入れてバスで Brockwell Park へ。なんとか夕陽を堪能できるギリギリの時間に到着して Javi, Teresa, Mark, Olivia とビールを飲みながら時間を過ごす。公園入り口でバスキングをしたのも1ヶ月前の記憶。
陽も落ちて、歩いて Windmill Brixton へ。今日は Irish Music が聴ける日とのこと。”Welcome to Ireland!” と陽気に通された屋内にはステージもあり、初心者バンドの演奏なども受け付ける懐の広い会場のようだ。多彩な楽器を持った奏者が机を囲んでマイペースに演奏している。緩くても様々な楽器を「弾くことはできる」は結構大切な要素だ。マルチプレイヤーの礎はこういった環境から生まれているのかもしれない。George も合流してくれて Javi 宅へ。
今日がいわゆる Farewell Party。1ヶ月を振り返りながら Load of the Ring 版 MONOPOLY を楽しむ。Javi が初めて Stairway to Heaven を聴いたのは飛行機に入っているオーディオだったらしい。音質も手伝ってチャーチミュージックかと思ったという感想に対して、当時のバンド EVEREST ギターの Manu から「これを聴け!」と2nd を渡されて気付いたのだそう。
そんなこんなで朝 4時頃に解散。ガスのデポジットを払い忘れ続けておりお湯が出ないのに対して「今の時期は暑いからちょうどいい」などと言い出すのだから、私はまだロンドンでの生活を続けているのだと実感したのであった。
それでは、続きはwebで。チーン。
£90.6
season1-21
【帰国 FINAL WARNING:後編】
盟友とのラジオが始まりました。毎週月曜日朝7時更新。