METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums Daily

#STDRUMS【RICH FOREVER WESTERN JAPAN TOUR 2020 RE:福岡】Part.4:週末路上ライヴの悲劇・gigi緊急追加公演・ツアー完結編。

投稿日:

7月18日
ライヴを経て土曜日。昨夜のとっ散らかった記憶を整理しながら昼頃に起床。
快晴とはいかないが天気も悪くない。
路上ライヴのチャンスだ。
新曲のフィードバックを引き続き得ながら卓上作業を進行。

15時頃に家主が戻ってきて、早速たこ焼きパーティーの準備。
水曜日の突発的浪費は今日のためであった。
すっかり工程に慣れた我々。思った以上に量も出来上がり、一部は夜食用に確保。
サンドイッチまで作ってもらってしまったため、ストリートへ持っていくこととした。

このときヒロシくん(前回ブログ参照)から連絡があり、昨夜のお礼があるとのこと。
家を降りて合流すると、手提げの中にはお菓子やらが沢山。なんという律儀さよ…。
「飲むのにアテが欲しいって言ってたからさ〜」というお気遣い。
何故か入っていたボックスティッシュは、もしかして鼻炎を気にして…?
後述する予定だが、福岡の人間は純粋で暖かい。

というわけで18時頃に荷物をまとめて “であい橋” を目指す。
流石にまだ明るい。他パフォーマーも通行人もいない。
何はともあれ場所は確保できた。時間が来るのを待つのみである。

少しずつ街に活気が出てきた19時半頃にセッティング開始。
すると(何故こういったタイミングは被るのか)向かいにアンプを置く人を発見。
交渉をしようと話しかけるや否や。
「俺は中洲が生まれるより前からやっている。10年以上やっている。云々。」
常連かつベテランであることを見せたいらしい。
どうやら、向かいで演奏することは構わないそうだ。
(構わないっていうか、遅れて来たのお前な。)
私の目的は目立つことではなく音を伝えること。
如何なる意見があろうと、音が被っていいという考え方へは賛同できない。
だが相手は会話ができないモノ。仕方なく隣のスポットへ場所を変えた。

再びセッティング中…どうやらこの場所にいつもいるパフォーマーが登場。
何やら渋い顔をしているが、こちらが先に来たのだから仕方ないだろう。
だがなんと…ほぼ同じ場所(隣)にセッティングを始めるではないか。
愕然とした。
ここまで完璧に音が被さるポジションで何をしようというのだ。
「ここでやるよ〜」だと。はっきり言うが…いや、止めておこう。

上段に書き記したばかりの文章である。
私の目的は目立つことではなく音を伝えること。
勿論パフォーマンスとは音だけの世界ではないのも理解はしている。
だが、(押し付けでないことを祈るが)音を司るパフォーマーにそれ以上の目的があるのか?
長らくされているであろう『百戦錬磨の十八番芸』はメロディとリズムを見事なまでに崩壊させた。

真実を常に追い求め続けるのではなく、政治や風情への理解が必要というわけだ。
公共施設の広場には、彼らが培い独自のルールで位置付けされたホームが生まれていた。
一点。平和であればよい。平和は保持しなければならない。
人の家に勝手に入ってきて騒いでいると言えば、否定はできない。
この土地には二度とスーツケースを持ち込まないことを心に決め、”であい橋” を後にした。

意気消沈。
ひとまず天神マック前へ向かうとスポットは空いている。
駅を抜けた向かいでは歌のグループが頑張っている。
SHOW-1くんも合流してくれて状況を話しながら、ゆっくりセッティング。
21時頃から演奏開始。20分後に警察が来て終了。
歌のグループはそのままスルーされたのを見る限り、やはり警察の感触はよい。
(そんなフィードバックは求めていないよ…笑)

こうして最後と決めた路上ライヴを終えて、SHOW-1くんと鶏皮店を再び探す。
一箇所、バスキングに相応しそうな場所を見つけるも警備員の方がいたり。
福岡市内でのスポットはかなり限定されている模様。

今日も異常にお付き合いして頂けるお二人。毎日ありがとう…。
美味い鶏皮という目的を達成し、シメにラーメンへ。

SHOW-1くんレコメンドの『おいげん』
チャーシューが有名らしい。

割とこってり目のお味。どこのお店も替え玉があるのが福岡らしい。
美味しゅう御座いました。

実は夕方ヒロシくんとお会いしたとき、夜に合流しないかとお誘いを受けていた。
2人とは解散し、スーツケースを転がし彼がカウンターを務める “喫茶うらのす” へ到着。

昨日友達になったばかりの面々が落ち着いた内装と共に出迎えてくれた。
バスキングでの疾患が浄化されていく。
お店では聴き覚えがありながらも確信に辿り着けないような音楽が流れている。
…これは、STLOG 2019だ。だがテンポがかなり落ちている。
ピッチを落として流すとBGMとして最適になると気付いたらしい。
なんと真摯な…。

自己紹介とそれぞれについて話しながら流れていく。
こうしてあれよあれよと、明日gigiに出演するセッションバンドへ飛び入り参加できる運びとなった。
最終日にまさかの追加公演。
人と人が繋がり次の道が出来ていくのである。
人生とはカタンのようだ…。
(現地で飲む現地のビール(例えばGUINNESSならアイルランド)は特別に美味しいのは気分だけじゃない理由があるのではという話題に「運ぶ分だけ揺れるから?」という回答に大変納得したのであった)

26時前に解散して宿へ戻る。明日に向けて仮眠…。

7月19日
昨夜を引きずれば28:30とも言える4時半頃に起きる。
一同車で姪浜漁港を目指す。
先週の日曜日に逃した港の朝市だ。
オープンの5:30に到着するには始発だと間に合わない。

到着すると既に業者関係っぽい車で賑わっている。
「もう鯛しかないってさ」常連らしい会話が耳に入ってくる。
どうやら事前の予約?みたいなものが存在するらしい。
我々が到着した5:40には既に殆ど売り切れ、多くの店舗は既に片付けを始めていた。
コミケかよ!

とはいえ鮮度と内容には問題なし。余り物を数点購入しSHOW-1くん宅へ。
日曜の午前中からおっ始めてしまおうという魂胆。
そして唯一撮った写真はこれだけであった…。岩タコ。またもタコ。

真鯛は刺身と湯引き。太刀魚はSHOW-1くん担当で塩焼き。
ウチワエビを捌ける機会があるとは…こちらはお刺身。甘かったなぁ〜。
タコは茹ででお刺身。こうして午前中から贅沢極まるお食事会。
エビの殻とアラで出汁の準備も始める。(殻は煎ってから使えばよかった…!)
散々食って飲んでして仮眠…。

16時頃に目覚めてお家を後にする。SHOW-1くんとはまた後ほど…。
天神方面へ戻るついでに…。

レコ屋チェック。
BORDER LINE RECORDSは割とオールドロックに強い印象。

なんと!US盤ながらVERTIGOオリジナル。ラッキーでした。
(ギリシャのバンドだからいいでしょう。)
隣のTICRO MARKETも結構な在庫量。
時間の関係もあり少しだけお邪魔して駅近くまで歩く。

これがやりたかった!
駄菓子的博多ラーメン『膳』290円なり。小腹をサクッと満たすやつ。
店舗がある施設そのものが取り壊される?らしく、7月末で閉店とのこと。
惜しみながら店員さんに思いを伝え続けるお客のお兄さん。
店員さんはうんうんと話と聞きながら、これ俺からだよ〜とコーラをご馳走していらした。

この旅の間、薄々と感じていた雰囲気の象徴的状況。
福岡の人々は『スレていない』と感じるのは私だけであろうか。
ヒロシくんのお土産や、つつみの付き合いのよさ等々…近しい関係にもよく現れている。
損得勘定ではなく気持ちで動く、ピュアな人々が多いような気がしている。

19時頃にベースメントへ戻り、スティックを持ってgigiへ向かう。
連日顔を合わせている面々と今日の報告などをしながら談笑。
混沌とした渦潮に揉まれて活きのいい人間が育つのもまた事実。
東京という荒波に呑まれず自身を保持することが大切だ。

7月19日。福岡最終日。
『no comply』は投げ銭でのイベント。
強制でない空間がとてもよい。
3deciliter、Blues Virus、tetsu hiraokaと各々の表現を経て我々。
spyco×tsuyoshi×uranosの即興トリオに×#stdrumsにて参加。
咄嗟の判断から生まれる偶然性と記録されない刹那性が会場を染める。
トラックやルーパーなど、リズムの隙間を縫っていくような演奏。
音の実験を共有し、表現としてフロアに伝わっていくのは実に楽しい。

こうしてトリにTALLBOY。
ここで最後に、BOB DYLANを思わせるアコースティックライヴで締め括るとは。
サンプリングかと思わせるほどギターと歌の鳴りがナチュラルだったのはこの空間規模あってこそ。
gigiだからこそ実現できる懐の深い日曜日。

こうして最終日まで…いや、月曜日以外は全日会っていたSHOW-1くんと1枚。
彼の異常とも言える(笑)付き合いのよさは福岡で培われた賜物であろうか。
お宿をはじめ、毎日毎夜とありがとう御座いました!

フードのチマキを頂きながら一杯嗜んでいると封筒を手渡された。
突然の飛び入りにも関わらずギャラを出して下さったのだ。
しかし何故封筒が複数あるのだろう…?
なんと、共演の皆さまが私に取り分を回してくれたのである。
もうダメ。好き。
その愛は、なんなんだ。
形容できないものとはこうも人の心を揺らす。
CDやTシャツでお返し。せめてものお礼になればいいな…。

解散して宿へ戻り、カタンも最終章。
そして遂に、接待されることなく勝利。(恐らく…)
こうやってボードゲームにじっくり興じたのも久し振りであった。

7月20日
昼前に起床。荷造りは昨夜の段階である程度済ませておいた。
市場で手に入らなかった故に達成できていない目標がまだ1つ残っている。

名前通り『博多ごまさば屋』にて海鮮丼とごまさばランチ。
日本海側で獲れる鯖にはアニサキスの種類(数)が違うため、生で食べられるということらしい。
ライスのみならず鯖の南蛮漬けが食べ放題という居住可能システム搭載。
人気店らしいが幸い空いている時間に入ることができた。

炎天下に晒される見本品。

というわけでコウちゃんと、このために来てくれたつつみとお別れの1枚。
こうやってすぐに集まってくれるのだから。
実は飛行機の出発時間が気になりながらも改札で別れ、空港へ向かう。

博多の都心部からでも20分ほどで空港に着けるのも嬉しい。
心配をよそにあっさりと到着し、荷物預けも無事に完了。
人にアクセスに物価。すっかり博多に魅了されてしまったようだ。

こうして東京へ帰還。
10日間の福岡ツアーは完遂。
この世情にも関わらず無事に成功できたのは現地での強力なサポートがあってこそ。
がっちり支えてもらったお陰で新しいコミュニティーに出会うことができた。
人と人が集まり、次に繋がっていくことがツアーの醍醐味である。
その発端を作ってくれた友人らに多大なる感謝を。

全曲新曲で臨んだ結果、早速新しいフェーズへと進んでいる。
ひいては方向性にも影響があり、製作面でも本当にやってよかったツアーとなった。
お会いした皆さま、ありがとう御座いました!

旅は続く…。
次回来福の際は必ず生鯖パーティーをやります。

それでは、続きはwebで。チーン。

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