以前のブログ
METAL TRASHING FIT
に投稿していたドラムレッスン記事のアーカイヴです。
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ツーバスが踏めないのは左足のせいじゃない
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今回はタイトルからやや前のめり気味に書いてみました。
やはり圧倒的にレッスンで質問の多い『ツーバス』の話です。
※この記事は「ツーバスに苦手意識がある人・全然踏めない人向け」です。
右利き・右セッティングという前提で進めていきます。
左セッティング・左利きの方は手順や方法を逆にしてお読みください。
ツインペダル・ツーバスの使い方はジャンルによっても様々ですが
ハードロック・へヴィーメタルでは両足を交互に踏みながらビートを刻むフレーズが多いです。
僕の得意なジャンルからも、この奏法の質問を非常に多く頂きます。
余談ですがツーバスの起源はLouie Bellsonと言われています。
(3年ほど前のものですがドラムカメラからの映像です。2曲目の6:25辺りからドコドコ踏んでます。)
レッスン受講生さんの困っているポイントを纏めると、
やはりテンポアップ。そしてその原因は左足にあると返答されます。
実際に叩いて踏んで頂くと…なるほど。
僕はこれまでのレッスンの統計からしても、
「踏めない原因は左足ではない!!」と断言できると思っております。
ここでいくつか実験をしてみましょう。
座った状態で、かかとを床に付けて足を交互にパタパタ動かしてください。
かかとを上げてペダルのように or つま先をつけてかかとを上げるでもOKです。
ここでのポイントはずれても、交互にならなくても大丈夫です。
両足で激しめの貧乏ゆすりをやるような状態です。
さて、どの位のスピードまで動きましたでしょうか。
恐らくですが、結構なスピードでパタパタできた筈かと思います。
次は実際にペダルを踏んでみましょう。なければ床でも大丈夫です。
リキんでも・無理矢理でも。どんな方法でもいいので一番早くペダルを連続で沢山踏みます。
まず右足。次に左足。
いかがでしたでしょうか。
出音がなんであれ、粒が揃っていなくとも、
それなりの連打が出来たのではないかと思います。
これら2つの実験で、書いた通りの結果になった方々へ言えることは
左足込みで「身体は動く」ということです。
しかし「ツーバスフレーズ」になると踏めなくなる。
つまり、ツーバスが踏めない人は
左足が動かないわけではなく「左足と全身の組み合わせ方を知らない」と言えるのです。
レッスンで実際に叩いてもらうと、左足がどうこうではなく「こんがらがっている状態」が殆ど。
キープしようとしているフレーズに対して
足が遅くなるだけではなく、速くなっている瞬間も多いのです。
また、実験の貧乏ゆすりがいいスピードで踏めるのは
「踏まなければならない」という切迫感がない、リラックスした状態からだと推測します。
身体が緊張すれば動かなくなるのは当然。
そして実際に叩いてもらう人の多くは全身が強ばってしまっています。
これはスティッキングにおいても言えることで、
右手・左手の片手でのストロークはある程度のテンポまで叩けるものの、
オルタネイトスティッキングになると綺麗に叩けない。
組み合わせるタイミングのずれに加えて、
両手で叩くという緊張も影響しているのだと思います。
身体の組み合わせがうまくいっていない。
僕はこのことを「手順の縦軸を整理する」と言っています。
「一緒に叩くのか・交互に叩くのか」の整理です。慣れればゲーム感覚で取り組めます。
そもそも両手・両足を同時に使うのは簡単なことではないのです。
いきなり速いテンポのフレーズを攻略するのには無理があるので、
まずは「どういうタイミングと手順でフレーズが成り立っているか」を
分解・解釈・理解することが近道です。
「難しいと思っていたフレーズが実は簡単だった」という現象と似ていますね。
「左足が動かないから左足の練習」
というのはある程度踏める段階から考える話。
「左足を単独で切り離して考えることができる状態」でしょうか。
「そのスキルと練習がどう生きるのか」を考えて
まずは両手両足のコンビネーションの整理から始めましょう。
(勿論、無駄な練習なんてものは1つもありません)
そもそも左足はドラムに於いて常に使うパーツだと思っております。
ハイハットのオープン/クローズの奏法です。
ツーバスが踏めないからツーバスの練習!という実直な考え方も好きですが、
ハイハットワークは踏むだけではなく「開ける・放す」という奏法もあります。
これらのコンビネーションは「縦軸の整理」にもってこいです。
そしてもう1つの最重要項目は、ペダルのセッティングにあります。
ここら辺はまた別の記事にさせて頂こうと思います。
今回はまず、ツーバスに対する意識から中心に書いてみました。
纏めとなりますが、ツーバスフレーズが苦手な人に勘違いしてほしくないのは
「左足が動かないから踏めないわけではない」
厳密にいえば
「左足だけではなく、全身の組み合わせが上手くいっていない」
ということ。
どうぞ左足に苦手意識を持たず、リラックスして練習に取り組んでみましょう。
無意識にやってみると、意外にできたりすることもありますよね。
ツーバスへのご参考になれば幸いです!
次回以降から具体的な練習方法等を書いていければと思っております。
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