METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums Daily

#STDRUMS “ONE MAN EXHIBITION 2024″ 初日。”⁡⁡DANZA NIGHT” そして “Natural Concrete Vibration”

投稿日:2024年2月21日 更新日:

2月16日 (金)
新たなる機材を導入し、ゲネリハとなる長時間のスタジオを予約していた。
操作の練習も兼ねて、ライヴに必要な道具を全て詰め込み現場へ到着。
荷物を開けると、パソコンがない。

機材を動かすにも曲を再生するにも第一に必要不可欠な機器が手元にない状況は、いま現在のメンタリティーを表すに十分な結果となった。事務所のリフォームが2ヶ月強遅れ、ライヴに向けての準備もままならないまま苛立ちを抱える日々。選択肢を捨て、右手のレガート強化に没頭した。

ドラムに集中できた時間が功を奏したのかもしれない。一旦全ての準備を諦め、事務所の整理に取り掛かった。不用意に転がっている段ボールや「落ち着いたらやろう」としていた作業を「落ち着かせるため」に進めた。部屋の状態と心は繋がっている。

ひと段落したのは深夜。ここでもう1つ、蔑ろにしてきた料理に取り掛かった。友人から言われた「料理は日々のクリエイティヴィティーへ影響している」という言葉を思い出し、鰯を刺身にする。ネギがなかったため、代用したセロリの葉が青臭さを掻き消してくれた。”いま手元にあるもので得られる最善策はなにか”。分かれ道の飽和に気づき『整理』に徹底したライヴ前日。

2月17日 (土)
空間に余裕のある部屋。大荷物を抱えて、長らく放置していた (せざるを得なかった) 散髪。全てはこの日に照準を当てて進められていたのか。気持ちも新たに善行Z にて #STDRUMS【ONE MAN EXHIBITION 2024】初日を迎える。

今月頭に共演して光の速さで仲良くなった DJ BANBI と、1月にダンス公演で運命的出会いを果たした岩本大紀主催の “伊邪那美” (岩本大紀&渡邉茜) で構成されたゲスト陣は別枠ではなく #STDRUMS とのセッションで参加。遊びに来てくれた来門さんも急遽飛び入りしてくれて DJ との即興フリースタイル。伊邪那美へは舞踏が持つ『間』を捉えたく「極限まで遅い動き」をオーダーしての、ドラムソロから P.E.T.A. の流れに加わってもらった。

ドラムをフロア最前に設置し、ステージにも椅子を並べておくと、ドラムを中心に自由な角度から見られる演出となっていた。舞台公演で使われる「囲み」演出をやりたいと思っていた矢先、自然発生にしては “デキすぎている” から善行Z は素晴らしい。

mind the gap が始まるとゲストとオーディエンスが自由に入り乱れ、これまでに感じたことのない一体感が生じていた。この初日は言わば「公開実験」の狙いがあり、ワンマンライヴの旨味をたっぷりと堪能していただけたことだろう。

十数年振りの旧友などの来訪もあり、音楽に満ち溢れた空間。ご来場ありがとう御座いました!動画や写真をお持ちの方は是非ハッシュタグでSNSなどご投稿くださいませ。東京に戻り、終われない夜は続く…。

2月18日 (日)
大塚DONFAN にてミュージシャンとダンサーによる即興イベント “⁡⁡DANZA NIGHT” へ出演。主催は岩本大紀ということでガンちゃんツーデイズ。大堰邦郎さんはメインの楽器という括りを持たないようなマルチ演奏者で、自作のパーカッションなど面白楽器多数。

持ち込んだ20’s LEEDY は15インチのため、Rogers のスネアスタンドを持ち込むとドラムキットもヴィンテージの Rogers。音の分離を狙うという名目でジョンステニアーごっこ。”若手のダンサーによる挑戦の場” というテーマを持つ本企画に神田初音ファレル、尾上実梨の二人とガンちゃんが即興演奏と共に開花していく。

昨日のDJや舞踏家とのセッション然り、単独でステージに立ち続けている私にとって人との共演は本当に気持ちが楽だ。特に大堰邦郎さんは常に全体を見渡してくれる望楼のような存在で、私は演奏に集中する役を買わせてもらうことができた。終演後もダンサーやインスタレーションを行う演出家など、自分がやろうとしている今後とマッチする有志が集い充実した時間を過ごす。

2月20日 (火)
代官山 晴れたら空に豆まいて にて “Natural Concrete Viblation” へ #STDRUMS 出演。主催は来門さん。BANBI の姿も勿論ある。1番目の出演ということで、善行Z に引き続きフロアへドラム設置。後方スピーカーもしっかりご用意いただいて期待が高まる。

善行Z でのライヴ前に壊れてしまったイヤホンのクリップを思い出し、即席で縫い合わせてみると鳥のような不思議な姿となり、これがまた使い勝手がいい。ワンマンを体得した身体は、30分のライヴへ『凝縮』する能力を覚えたようだ。

渋谷サイファーのお陰で “ラッパー” との絡みは多かったが “ジャパニーズヒップホップ” との繋がりは薄く、Dirty Joint のライヴで新たなる門を開く。BAKU さんは FLYING LOTUS を絡めた盛り盛りハードなDJセットで、ジャングルの高揚感が #STDRUMS の大きなヒントに繋がる。来門くんの息子 RUU は天性のリズム感を持っており、ロンドンで感じる「上手い下手ではないタイム感」そのもの。凄まじいドラマーになるだろう。

日に日に余裕がなくなってきていると実感する世の中で、このような偶発性・そして人との繋がりを大切にしようとしてくれるイベントと人々がいる。行動あるのみ。#STDRUMS、来門さん、伊邪那美の三者が出会い、お互いがお互いに作用し合った救済の一週間。ワンマンツアーは仙台へと続いていく…。

#STDRUMS
ONE MAN EXHIBITION 2024

各会場チケット:前売 ¥3200 / 当日 ¥3700 / U-23 (23歳以下) : ¥2000
*U-23チケット:数量限定。当日身分証明書をお持ちください。当日券では適用されません。
▶︎チケットはこちらから◀︎
2月17日 (土) 善行Z
GUEST : 伊邪那美 (岩本大紀&渡邉茜) / BANBI
2月23日 (金祝) 仙台FLYING SON
GUEST : sugarman

3月1日 (金) 札幌LOG
GUEST : KIYO / 徐福

3月6日 (水) 大阪SOCORE FACTORY
GUEST : モックン (DRUMONDAY)

3月7日 (木) 京都RAG

3月9日 (土) 名古屋HUNNY-BUNNY

3月20日 (水祝) 博多四次元
GUEST : Bellbottom from 80’s / DJ : SHOW-1

4月7日 (日) 渋谷RUBY ROOM
*WITH BAND SET

それでは、続きはwebで。チーン。

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