2月2日。ロンドンから日本に戻って2ヶ月と少しが経過しようとしているこの日、遅延に遅延を重ねてきた当事務所 (a.k.a.家) のリフォームにいよいよ完了の兆しが見えてきた。
定住がない生活から延べ5ヶ月弱。レコードラックを組み立て、大量の茄子段ボールに詰め込まれた盤たちを並べ、音響を仮組みして音楽を鳴らしたこの日。まだ完成していない家を眺めながら、日常に在った楽しみと喜びを失っていた自分に気付く。
明くる2月3日は渋谷RUBY ROOM にて【粋響集会】にて #STDRUMS。深夜のイベントに出たいと相談して決めてもらった日。来門さん、BANBIくん、曲兄さんなどなど共演者の皆さんとも次々に繋がり、狙っていた反応が確実にあった。エピック・オブザイヤー・エレクトロニクスドラムソロ・#STDRUMS。
いよいよ東京へと戻り、取り戻した日常。しかし刻一刻と変化する日々。混沌極まる現代、再来週から全国ワンマンツアーが始まろうとしています。
#STDRUMS
ONE MAN EXHIBITION 2024
ONE MAN EXHIBITION 2024
GUEST : 伊邪那美 (岩本大紀&渡邉茜) / BANBI
2月23日 (金祝) 仙台FLYING SON
GUEST : sugarman
3月1日 (金) 札幌LOG
GUEST : KIYO
3月6日 (水) 大阪SOCORE FACTORY
GUEST : モックン (DRUMONDAY)
3月7日 (木) 京都RAG
3月9日 (土) 名古屋HUNNY-BUNNY
3月20日 (水祝) 博多四次元
GUEST : Bellbottom from 80’s / DJ : SHOW-1
4月7日 (日) 渋谷RUBY ROOM
*WITH BAND SET
共演 (対バン) ありでのツアーを続けてきた #STDRUMS ですが、今回のツアーは5台のスピーカーが自在に鳴り響く【マルチファイヴ・スピーカーシステム・インスタレーション】を実装。前方からのみでなく全方位をスピーカーで囲われる仕様で、空間全体を “作品” として作り上げるべく、思い切ってのワンマンツアーとしました。
また私にとってライヴとは常に「実験」の場でもあります。これまで出会いと発見を求めて、様々な環境での「対バン」形式でのライヴを重ねてきました。ワンマンでの公演は「理由と目的」がより直接的に関わってくるものだと感じております。各地でサポートして下さる仲間のお力をお借りして、ワンマンという形でどんな空間が生まれるのかを試してみたいです。
音響にこだわる場合、専属のサウンドエンジニアと帯同してツアーを周ることも常ですが、敢えて各現地のエンジニアさんと一緒に音を作っていきます。技術者間の “空間とのセッション” として【マルチファイヴ・スピーカーシステム・インスタレーション】を新たなる要素に加えるのが目的です。例えるならばフェスティバルエクスプレスよろしく「ツアーする展示会 (Exhibition)」です。
ここで、そもそも #STDRUMS ってなんぞや?という方はこちらのまとめをご覧ください。
ドラムソロという活動形態で、テクノやドラムンベースなどのエレクトロミュージックを演奏しています。ドラムソロという概念を覆す、聴いて踊れる・観て驚く楽しげな音楽です。
#STDRUMS は再現性ではなく即興性・偶発性を多く孕んでいます。同じ楽曲であれどもその日によって熱量や着地点が全て変化するため、全8箇所での公演は全て違う内容へとモーフィングしていきます。
身体を鼓舞するドラムという楽器の力強さ、ビートの音圧・波動、そして没入感…。#STDRUMS は圧倒的にライヴで体感すべき表現と音楽にこだわり続けています。情報ではなく、目の前で発生している現象こそに真実が在る。全通必至!の、それぞれ公演内容をご紹介いたします。
2月17日 (土) 善行Z
GUEST:伊邪那美 (岩本大紀&渡邉茜) / BANBI
フジロックやトリプルドラムワンマンで音響を務めてくださった「社長」率いるハイファイと低音を追求している最良音会場の1つ。#STDRUMS のレコーディングや “レトルノセ” でも度々登場している我がホームといえる場所です。
ゲストには舞踏カンパニー【伊邪那美】から岩本大紀と渡邉茜が出演。舞踏と #STDRUMS による静と動の掛け合わせで新しい可能性を模索します。
更に!DJ・トラックメーカーである BANBI も急遽ゲスト出演決定。DJ とのセッションは昨年のロンドン以来、遂に日本でも実現します。
スピーカーの準備も万端で、ツアーの初回に相応しい絶好の環境。Zとの関わりも長くなってきましたが、実はライヴは初めてなのでとても楽しみ。とにかく見逃せない初陣です。
2月23日 (金祝) 仙台FLYING SON
GUEST:sugarman
#STDRUMS 我がホーム (2回目) と言える安心安全の良バコ。佐々木店長と集まる人々が地道に作り上げてきた良質な音楽の土壌にお世話になります。音が大きいのに何故か耳に痛くない、手練れの安定バランス爆音が最大の魅力。こちらもモニタースピーカーは準備済みで、最高の空間に仕上げていきます。
ゲストもお馴染み “sugarman” ではありますが、この日でベースのカツヤくんが脱退。バンドは一旦休止します。FLYING SON の熱気と共に、お互いを刺激し合ってきたラストバトルをお見逃しなく。
3月1日 (金) 札幌LOG
GUEST:KIYO
打って変わって今ツアーで最もガレージテイストな会場。距離感も近く、ドラムの生音を直で浴びることのできる大好きな場所です。枯れた雰囲気はまるで海外らしいというか、北海道なので事実海外です。
ゲストは SILVERBACK からKIYOさんをお招きしてのソロ合戦。KIYOさんと #STDRUMS の共演はなかなか見れないんじゃなかろうか。セッションもやれたらという話しをしつつ、演目もLOG仕様に合わせたものになる予定です。3年振りの札幌ワンマン。
3月6日 (水) 大阪SOCORE FACTORY
GUEST:モックン (DRUMONDAY)
国内最強レベルのサウンドシステムを装備している会場で、元々背面にもスピーカーが設置されている。まさに『クラブ仕様』な音響が期待できる日。高いステージが特徴の会場なので、どう使ってくか。DJのように姿を隠してしまうか…画策中です。爆裂に踊り尽くしたい人はこの日がオススメ。
更にゲストはドラムインベント “ドラマンデー”、BIRUSHANAH、EX-C、SLEEP CITY のドラマー、モックンが出演。ドラムソロ初ステージを迎えます。実はモックンとは10年ほど前にドラムバトルイベント “D-1選手権” にて対決経験あり。お互いを鼓舞し合う1日となるでしょう。
3月7日 (木) 京都RAG
#STDRUMS ツアーに京都RAG あり。今回もお世話になります。ジャズ・フュージョンの会場としてお馴染みであるため、FUSION PUNK MACHINE の私にはうってつけ。攻めの姿勢をがっつりと受け付けてくれる音響ノジさんと共に、落ち着いた雰囲気でマルチスピーカーをじっくりとご堪能いただけます。
3月9日 (土) 名古屋HUNNY-BUNNY
昨年末初めて来訪したライヴもできるレコードバー。四角いフロアを見たときに「ここだ!」と感じてオファーいたしました。ミニマルに空間を作っていきます。名古屋はこういった実験の姿勢を快く受け入れてくれる印象。店長シャチさんとはプログレ同盟なので、必殺の秘蔵版を持っていければとも思っています。
3月20日 (水祝) 博多四次元
GUEST:Bellbottom from 80’s
福岡・博多は四次元も我がホーム (n回目)。イベント内容によってフロアの形を変えることができるトランスフォーム・ベニュー。九州の人々は「空間」への意識が非常に高い印象があるため、どのような設営ができるかとても楽しみです。店長であり音響のケイタくんと絶好の環境を作っていきます。
ゲストは昨年 ZURITO との対バンで出会ってしまった、クラウトロックのミニマル性とギター(ロック)ヒーロー性を兼ね備えた、いま福岡で最も勢いのあるバンド Bellbottom from 80’s。公私共にお世話になっている SHOW-1くんのDJということで完璧な布陣。福岡に行けること自体もまた楽しみです(ウエスト)。
4月7日 (日) 渋谷RUBY ROOM
with BAND SET
そして東京公演は遂に (?) 初のバンド編成が出現。いよいよ SHOBALEADER #STDRUMS です。バンドでのライヴは前々からやりたいと思っていたことなのでどうなるか、期待と不安が交錯中。再現できない曲も多数あるため当日はソロ/バンドの二部制でたっぷりと演奏したいと思っています。
このように、これまでのツアーや旅先でお世話になってきた会場の助けをいただいての全国ワンマンツアー。イギリスでの音楽活動を夢みて始めたドラムソロ #STDRUMS も今年で10年目となります。まだまだ、だし、やってきたもの、でもある。
そして今ツアーを終えた4月中旬から、再びロンドンへ行ってきます。自身として最長期の半年間。情勢や景気もあり不安要素マシマシですが、私が信じているものがあると感じ続けている土地です。集大成とも云える今回の全国ワンマンツアー【ONE MAN EXHIBITION 2024】どうぞお越しください。純粋な『表現と音楽』をご用意してお待ちしております。
また、ツアーの合間にもお誘いいただいた「対バン」でのライヴがあります。
2月18日:大塚 Live jazz bar DONFAN “Musician×Dancer 即興企画 DANZA NIGHT”
2月20日:代官山 晴れたら空に豆まいて “Natural Concrete Vibration”
2月25日:大塚 Welcome Back “SELFISH SESSION vol.2”
2月27日:横浜 Thumbs Up “modern zoo”
3月2日:旭川 MOSQUITO “汚軽田夢子生誕祭”
3月5日:大阪 戦国大統領 “#STDRUMS ONE MAN EXHIBITION 2024 前夜祭”
3月17日:西横浜 El Puente “憎まれっ子世に憚る十六巡目”
3月23日:大分 AT HALL
(投稿時現在決まっているものです)
ライヴ・セッションのお誘いは随時募集しております。ご連絡はお問い合わせからよろしくお願いいたします。
そんなブログを書いていた今日2月12日。自分でやる細かな作業は残っているが、その時が訪れ、全ての工事は済み、筋肉と血は存分に成果を上げようとしている(MANOWAR – Number 1参照)。部屋には暖かな陽射しが降り注いでいた。我が事務所と制作環境を作ってくれた恩人、圭郎との長い旅もここでひと段落。本当にお疲れさまでした。
最後に…日本に帰ってきてから約2ヶ月半、各所で居候させてくれた友人の皆さま・家族。現在の境遇にあることを感謝いたします。
スタジオに入って自分を見つめ直す18:37。人生の新章が始まった。
それでは、続きはwebで。チーン。