METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums

#STDRUMS x TSUKAMARO “RICH FOREVER PETIT TOUR 2023” 完遂

投稿日:2023年12月19日 更新日:

ロンドンから戻り、”RFT 2023″ を経て迎えた12月。家に帰るまでが遠足と云うならば、私のツアーは日本に居ながらも続いている。本拠地を持てない状況で、地に足をつけて音楽に没頭もできない私は、ほぼ毎日誰かしらに会って日本での暮らしについてを話していた。

10月中頃に当ブログがハッキング被害に遭っていたらしい。アフェリエアイトページに勝手に飛ばされる “リダイレクト” の報告をしてくれたのが今回の関西ツアーを仕切ってくれているツカちゃん。専門用語が多発する問題に頭を抱えながら前日は京都入り。RAG に着地して今後の作戦を練る。外食が増えてきて気付く松屋のコスパよ。

12月15日 (金)
京都から三国ヶ丘へ。FUZZ に到着するもののまだ空いておらず、一旦荷物を放棄してスーパー銭湯へ。うきうき風呂だったか…下からの高圧ジェットで身体が浮く湯船で身体を回してリフレッシュ。12月とは思えない気温で半袖一枚。16時過ぎに会場入り。

#STDRUMS x TSUKAMARO
RICH FOREVER PETIT TOUR 2023

ちょっと (petit) のツアー初日は三国ヶ丘 FUZZ。SNSで流れてくるライヴ情報には毎回違う手書きのフライヤー画像が載っており、イベントへの意識に興味を持っていた会場。店長西岡さんの仕事は壁一面に貼り出されておりちょっとしたミュージアム状態。キックの絵も店長によるもの。

今回のツアーから SPEED KING 復活。シセキにネジ穴を切ってもらい、蝶ネジではなくドラムキーのネジを付けてもらった。スタジオで試した限りでは問題なさそうだが、柔らかい金属のボディーなので耐久性の様子を今後見ていくことになる。

律儀に3Dプリンターで作ってくれたスペーサーが割れる。なぜここが…?固すぎる素材でもまた難しらしい。

食事を摂っていなかったため、サウンドチェックにツカちゃんと「おくまん」へ。関西では定番の安居酒屋らしく、美味しい安いでコスパ抜群。”ハレルヤ” のサコウ夫妻もいらしてくれて今夜に向けてグルーヴを高め、戻れば開演。

西岡店長の “コロコロボンボンズ”、バンド名の看板が出てきたときに「コロコロ」であり「ボンボン」が漫画らしいフライヤーへと繋がっていることに気付く。アラヤンのブルースエピソードは脳内再生余裕。続く “ハレルヤ” はサウンドチェックの時点で BUGY CRAXONE を感じさせるエナジーフルなバンド、だがベース謙吾さんは隠しきれない Steve Harris が滲み出ていて最高。

音楽への正直な純粋さが溢れる会場とバンド達に囲まれ、マロ先生が間に合わず #STDRUMS は急遽3番目にプレイ。西岡店長私物の K Zildjian は鳴りまくり、帰国一発目のソロライヴを終えた。ドラムヴォーカルを見ると触発されてしまい禁断の 21st をセルフアンコール。

トリとなった TSUKAMARO は「いつもの感じ」で「いつもの」ライヴができるのは長年の積み上げの賜物。この日の印象は翌日、更に具現化されることとなる。

割と押してしまい、片付けなどをしていたら気付けばいい時間。ツカちゃんは今夜を続ける方針を見出しており、乗っかる他ない。「貴重なバミり」として残った床を見ながら総括。クラブミュージックシーンに進出したい思いが強くなっている。外は沖縄に来たかのような不気味な暖かさで、タクシーにてツカちゃん邸へ帰還。

12月15日 (土)
お昼過ぎに大黒屋へ向かうものの行列ができており、隙をみて100円ショップでGボンドを購入。上品な和食を堪能して、家へ戻りやや急ぎ足で梅田へ移動すると神戸行きの電車に大幅な遅れが生じているそうだ。最終的にいい具合の乗り換えに当たり、16時過ぎに Helluva Lounge へ到着。発音的には「ヘルヴァ」だと思うが「ヘラバラウンジ」が名称。

ツアーのごとにスケジュールを訪ねていたが折り合いが付かず、遂に今回初めて来ることができた。tora で対バンしたサンサンタウン、TUSKS ギター優作くんが居ることを今日知った Bottom of the Sky の皆さんも集まり、関西特有の陽気な空気が既に楽しい。

縦に長い作りのため、後方に置くギターアンプの位置を模索する。ホルダーの甘さもあってノータム。思えばマルチパラアウトのアイデアはツカちゃんと訪れた Brian Eno の展覧会からであった。

サプライズ・ユウサクと出会ってしまったのだから行くしかない。奇しくも去年に続き『ごん太』へ再訪となり、神戸の活気を堪能。気持ちのよい男と気持ちのよい時間を過ごして戻れば開演。

解散が決まってしまったという “サンサンタウン” はバンド名で毎回騙されるが、内障的である種のシューゲイズを感じさせるダークな音が特徴。前回共演のときの印象とは大きく異なり、楽曲という “区切り” がしっかり見え、表現に集中できるような作りになっていた。

続いて “Bottom of the Sky” は「語り」を用いる関西スタイルのハードコアバンド。突拍子もない曲展開のルーツに様々な音楽のエッセンスを感じさせる。緩めの MC もフロアとの距離を縮めていく大切な時間だ。

そして TSUKAMARO。今日は無事にマロ先生も間に合った…ものの、機材を全て持ってき忘れてしまうハプニング発生。即ちツカちゃんの一部機材もない。通常ドラムキット&ギターアンプ単発でのライヴはかなりレアだったのではなかろうか。昨日と連続して観ているため、それぞれ持ち込み機材にちゃんと意味があることを感じ取れた。

ラストに #STDRUMS。Gボンドで修理したイヤホンは問題なし。Helluva Lounge は床が光るため、ドラムマットを外してみたもののやはり全てが動いてしまい、挙句キックのストッパーも外れてしまった。マロ先生がカバーしてくださる。プレイアビリティと環境のバランスは手助けが効かないソロにとって最大の課題の1つと云えよう。アンコールをいただき禁断のカバーで〆。

遂に念願叶った Helluva Lounge という所に加えてもう1点。神戸は俳優・長内映里香の出身地であり、個人的にご両親との付き合いがある。そんな接点から彼女がプロデュースしている日本酒のソーダ割り『ポンボール』を提供して頂けることになった。銘柄によって細かな味の違いがある日本酒を用いるためベストな配分が難しい。ドリンクマスター・ツカちゃんとの協議を経てバランスよく辿り着いた “Helluva Lounge 式ポンボール” は今後もご提供下さるとのことで、ご興味ある方は是非飲んでみてほしい。

そんなわけで終演後は長内ご両親と軽く飲みに出かけたあと、引き続き Helluva Lounge にてツカちゃん、320くんと総括。多面的に音を出す方法について「自分のやろうとしていることをもっと明確に伝えた方がいい」とアドバイスをもらった。気遣いの結果「やりたいこと」が伝わりきらないのは勿体ない。先に帰るマロ先生の車に機材を載せてもらい、我々は完全に320くんのお世話になる前提で居残り、適度なタイミングで中華を食べて心斎橋へ帰還。

終わらない。その足で私は Triangle の深夜イベントへ。会場に入るとちょうど BLONDnewHALF のセッティング中で間に合った。コウくん、ヒートくん、イザナくん、もっくん、ミツキくんと関西のお仲間大集合。

「自分のやろうとしていること」を話し合った矢先に来れた、クラブカルチャーとバンドのライヴを掛け合わせたイベントはまさに理想としている形だった。BLONDnewHALF でのフロアは自由に身体を揺らし、音への集中力が高まっている。少し無理をしてでも足を運んで大正解だった。あっという間に朝方となりツカ邸へ帰還。

12月16日 (日)
お昼過ぎにチャオルアにてランチ。この店に来ると去年のことをよく思い出す。

ツカちゃんのサウンドチェックについて行こうと思っていた矢先、ヘッドアンプの不調を思い出したそう。というわけで機材運搬も兼ねて共に戦国大統領へ。自然と出迎えてくれるのがありがたい。朝子くんがスタッフ側に入っていて驚いた。

ノラ一味のサウンドチェックをライヴ代わりに一杯飲みつつ、なんだかんだで開演までいられて、イントロだけ観てから KING COBRA へ移動。こちらも1番目の開演直前。Babylon Breakers のライヴは “祈り” のような神通性を感じる。扇状のステージでアンプの出音が90度にクロスするため、位置によって聞こえ方が変わるのも面白い。

「今日めっちゃええで!」とアラヤンも喜ぶ今日は BLUEDIE、どろろ、DOUBLE BOGYS という出演。上田さんもご無沙汰で、まさかのコバヤンさんとの再会がこことは思ってもよらない。やり続けることが血となりブルースとなる、やりたいことだから続けられる。堕ノ蔵Tinさんとも再会し、昨日と今日は来年へと繋がっていく。

こうして #STDRUMS x TSUKAMARO “RICH FOREVER PETIT TOUR 2023” を完遂。2件のツアーを経て、深夜と最終日はじっくりとライヴも堪能でき、沢山のエネルギーを貰えた。居場所とは自分で見つけて作っていくもの。

ひょんな提案からツカちゃんは「新しい出会い」をテーマにツアーを仕切ってくれた。まさしく、出会いと行動は次へと繋がっていく。TSUKAMARO、出会って下さった、サポートして下さった皆さま、ありがとう御座いました!”終われない” 旅は続いていく…。

それでは、続きはwebで。チーン。

– LONDON THE MOVIE –
#STDRUMS / JUST A PHENOMENON (Digest)

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