朝7時前に起床。9時ごろに KAOS らも降りてきて、Kay に紅茶を入れてもらいつつ談笑。
この家には3匹の猫が住んでいて、かなり人見知りのこの方は元々救護された猫なのだそう。ゆっくり近付くものの惨敗。
気付けばイングリッシュブレックファーストに、レモネードまでご用意いただいてしまって…Kay デキる人すぎる。
真夏日が続くとはいえ、夜は涼しいイングランドは7月でも薔薇が咲くのだそう。
2つ設営されたグリーンハウスでは何十種類ものチリペッパーが栽培されている。様々なお花が育てられていて、コンサバトリールームもあり、日本で見受ける『ガーデニングが趣味の洋風ハウス』のリファレンスはこういう家なのだなと妙な納得を覚えた。
庭でゆっくりしながら KAOS と話していた内容が 80’s パンクの証言として面白かったので勃発インタビュー記事として仕上げたい所存…書けるかギリギリの内容ばかりでいつになるかわかりませんが、お楽しみに。
家の隣では馬が放牧されている。
さて車で昨日の Broadmead へ連れて行ってもらうと Elia “SevenBears” と再会。話し合って45分ずつで交代していくこととした。音の届き方もあるため、どうやって場所を交代していくかを話す。
恐らく Elia も含めての共通見解という認識で本音を話せば、そりゃ自分だけが演奏できた方が都合がよい。しかし公共のストリートに於いて「自分の場所」は存在しない。話し合い、パブリックスペースに於いてのベストを探ることはバスキングにとって演奏以上に大切である。殊更、場所のシェアは私のようなトラベラーにとって心強い。
16時頃に交代してもらい演奏開始。今日は週末かつ・いわゆる「レインボーパーティー」が開催されているものの、人通りは昨日と同じくらい。強い日差しはやはり人の足を日陰に寄せるらしく反応はイマイチ。流石に暑過ぎるか…。音そのもには寛容な街並みに感謝と、KAOS と Kay にバスキングを見てもらえたのでヨシ。
Elia のバスキング中に荷物を置いて街を探索させてもらえるのもシェアリングの旨味。Richard も合流して中心部へ。
おや…? WANTED RECORDS は決して安い店とはいえないが “nice copy” が並ぶ優良店。SOFT MACHINE の4th を入手。
ここで昨日からみっちりお世話してくれた KAOS Kay とはお別れ。いやぁ会えてよかった。また必ず。CHEERS DRIVE!
Broadmead へ戻ると Elia も少し諦めモード。明日からの土日に備えて体力を温存しておこうとしているようだ。というわけで最後の30分は2人でセッション。Elia のルーツにヘヴィロックがあるようで、SevenBears のときとは打って変わってザクザクなギターを演奏。私の演奏がそうさせてしまうのかもしれないが…。
途中から声のループと多重録音でトランス的なアプローチに入り広場も盛り上がり始める。昨日知り合ったばかりの同志とこうして同じ時間を共有できるから音楽は最高だ。お金どうこうではない素晴らしい時間をありがとう!
この後どうするか…暑さにやられている一方、バスキングとしてはまだまだ可能性がある時間帯。「日数がまだあるなら休めるけど、今日しかいないならやってみたら?」 という Elia の後押しもあり、再度ハーバーサイドへ向かうことにした。
昨日の探索の成果も功を奏し歩いて15分ほど、ハーバーサイド内側の水族館と繋がる Pero’s Bridge の前にセッティング。周囲に飲食店も多いが、仮に止められたらそれまで。最終日とはそういうものだ。
いざ始めるとパーティー参加者たちによる大盛り上がりで、流石週末といった雰囲気。「叩かせろ」だの勝手に触ってくる奴らだの、ヨーロッパらしいドランク・ピーポーをかわしつつ好反応。驚いたのは周囲からの苦情は一切なし。
すぐに終えることになるか思いきや、結局21時前までしっかりと演奏。腰掛けて最後まで観続けてくれる人やビールをくれる人、Bristol のオープンさ・寛容さを手応えとして感じられるバスキングとなった。次来たときはもっと広範囲に探ってみたい。
待ってくれていた RIchard と1枚。
片付けを終えて Richard と一緒に “The Louisiana” へ。すると「F.O.T.K. のドラマーか!?」と話しかけてもらう。多くの人が7インチも買ってくれたらしい。流石は KAOS の地元なだけあるな…。Richard のガールフレンド Amy とも一瞬で仲良くなり GUINNESS を啜りながら2階の会場へ。
入ると “999” のライヴ中。実は全く知らなかったのですが、70年代のUKパンクを代表するバンド。往年の名曲たちで大盛り上がりする年齢層高めのフロアからは日本のパンクシーンと通ずるものを感じたり。
999 live at The Louisiana, Bristol 09/07 #STDRUK2022 pic.twitter.com/aSeNIYQUJb
— #STDRUMS ユージ・レルレ・カワグチ (@rerure666) July 19, 2022
“Are you ready to Rock’n’Roll!” と煽ってくれるのは、いつどこで誰のライヴを観てもいいものだ。日本人が珍しく見えたか、ヴォーカルの方がやけにコンタクトを取ってくれた。
終演後は周りの人とワイワイ。Amy は自身のバンドの新しい衣装を買ってきたらしく「宇宙から来たクノイチ・バンド」というコンセプトを作りたいらしい。いいね。Richard たちと同じ家に住んでいるという Martin と話しをしつつ、適度な時間に車に乗り込んで移動。
道中、Amy と日本の現状について話す。元総理大臣が自作の銃によって撃たれて死亡したという事件は Bristol にも届いている。情報が乱立し、根拠そのものすら信用しがたい現状で『彼は悪だったのか・死んでも同然だったのか』は正直わからない。息をするかの如く吐き続けた嘘が国家権力によって隠蔽されたのであれば、その力はたかだか1人の刺客をも鎮圧できなかったのであろうか。
少なくとも今の日本が狂いまくっている事実と、経済と政治が死んでいる実態に私は “あの国” を見放してしまっている。しかしなんであれ、Amy が言った「でも人が死んだのは悲しいことよね」は、最も清く・第一に人が人として受けるべき感情だと反省した。罪を憎んで人を憎まず。
24時くらいに Richard の家へ到着し、まずはシャワーを借りる。ここで思い出してほしいのは、Richard とは1週間前に偶然 CRO-MAGS のライヴで出会ったばかりの仲。気付けば Bristol の家に上がり込んでいる。「KAOS と ISHIYA の友達なら断る理由が無いだろ?」という彼の言葉に胸が熱くなった。
1000枚以上のレコードが並ぶ家はイギリス的には狭いのだそうだが、日本人の視点からすれば充分過ぎるほど。Master Of Reality のオリジナル盤は当時僅か£2で見つけたそうだ…。スペインのパンクバンドや、Generation X – Bob Andrews のバンド “Empire” などなど、ロック・パンクを中心に次々と知らないバンドを聴かせてくれる。中でも Turbonegro は大ヒット。Chaos U.K. – Buring Britain を FUK のヴォーカルと一緒に Bristol で聴く日が来るとは思ってもいなかったな…。何を流してもジャケットを眺めながら粛々と音楽を聴き続ける Martin もギタリストで Richard とは CHAOS.U.K. GABBA と一緒に “Anus” とバンドを組んでいたそう。アヌスて笑。
小腹が空くと、それぞれ調味料を塗ってくれたパンを Amy が用意してくれた。なかでもイギリスの定番調味料 “MARMITE” は単体だとなんとも形容し難い臭い…。しかし、バターと合わせると旨味が増して美味しくなるのだから不思議。「やっぱりバターは最高よね〜」と嬉々として酔いどれの Amy 笑。
Bristol 定番という Thatchers サイダーもいただいて気付けば大満喫の深夜3時過ぎ。明日の朝も早い。終えたくない夜に別れを告げ、ソファーに倒れ込むのであった。
それでは、続きはwebで。チーン。
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