初めて買ったペダルはpearlの廉価モデル。
ツインペダルでした。
シングルチェーンで使い心地も良かったのですが、
経年劣化等でガタが来始めていたタイミングで、
フランス人の友人が国に帰るからペダル要らないよ。と。
持っていたIRON COBRAのツインペダルを私にくれました。
2007年のことだったと思います。
それまで軽いペダルに慣れてきた私にとって、もはや別物という感覚。
しかし同時に、音の重さ・音量を出す大切さを気付かせてくれました。
それからというもの、そのペダルの「重さ」と「速さ」の研究が始まりました。
ビーターを軽くし、スプリングを強め、或いはウッドビーターとタイトなセッティングで音量を意識したり。
こういう作業は演奏の理解も高めると思っております。
しかし、最近になって、今のバンドにどうしても「速さ」が必要となってきました。
そうなると、基本が重いIRON COBRAに限界が見えてきました。
軽いセッティングにしてしまうと、遠心力を生かせない軽さなので音も軽くなる。
散々悩んだ結果、遂に買い替えを決意しました。
11/4のことでした。
その夜はリハを終えて帰宅途中。
最寄りとは違う駅付近に自転車を停めていて、車と同じ方向に甲州街道を走って家を目指していました。
少しすると車の検問をやっていて、文化祭開催中の大学が近いからそいつらを捕まえようという魂胆なのかと考えていました。
すると急に何か運転に違和感を感じる。見ると前のカゴに入れていたペダルケースが落ちてしまったらしく前輪の下敷きに。
ああやってしまったと拾い、体勢を整えて再び走り始める。そして検問ゾーンを越えた辺りで、鍵が無くなっていたことに気付きました。
多分先ほどの荷物落下の際に一緒に落ちたのだろう…もしかしたらカゴの底に入っているかも知れない。
そう思い走っていた車道から歩道に逸れて荷物の確認をしようとしていたその時、後方からけたたましい騒音が襲ってきたのです。
はと振り返ると、左前輪が破損した車が右往左往しなから暴走状態で車道を駆けていきました。
すぐさま警察車両が後を追う。
閃光の様な瞬間が過ぎ、残ったのはプラスチックか何かが溶けた臭いと煙・車道のタイヤ跡。その跡はつい数秒前に僕が走っていたルートを抑えていました。
鍵を探しにいかなきゃと本来の目的を思い出し、道を逆走すると先ほどの検問ゾーンの空気が変わっていました。
バラバラのコーン
破損した誘導灯
4〜5人のうずくまる・頭から血を流している警察官
先ほどの車両が検問を拒否して暴走したというのが、自然に解釈出来る惨状でした。
鍵はちょこんと路上に落ちており、混乱する検問ゾーンをもう一度横目にしながら帰宅しました。
あとで、それはこの様なニュースとなりました。
-------------------
東京都世田谷区の国道20号(甲州街道)で警視庁北沢署の検問に車が突っ込み、警察官ら5人が負傷した事件で、同庁は7日、相模原市南区、元指定暴力団極東会系組員飯沢憲夫容疑者(51)を殺人未遂と公務執行妨害の疑いで逮捕した。
飯沢容疑者の車から覚醒剤とみられる粉末が見つかり、同庁は覚醒剤取締法違反容疑でも事情を聞いている。
同庁幹部によると、飯沢容疑者は今月4日午後11時頃、世田谷区松原の国道20号で、同署の検問に突っ込み、警察官3人をはね、殺害しようとするなどした疑い。同署交通課の巡査部長(49)が左足骨折の重傷を負ったほか、42歳と52歳の巡査部長が頭や腰を負傷。検問で停車していた車に乗っていた38歳と33歳の夫婦も追突され、軽傷を負った。「自分の車ではねたのは間違いない」と供述しているという。
-------------------
あの時、鍵が無いのに気付かず走り続けていたらどうなっていたのでしょうか。
あの時、買い替えを決めたペダルを落としていなければ…?
これが、偶然というものなのでしょうか。
守り神としても大切に保管します。
それでは、続きはwebで。チーン。