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全公演完遂 - 『カクシンハン版 ジュリアス・シーザー』

ようやく身体が落ち着いてきたと思ったら
咳と寒気に頭痛。
風邪なんぞ引いたの何年振りだろうか。


12月から稽古に入り。
1月は4日から、何処かにあった日曜日の休み1回以外は毎日稽古。
本番の8日間も勿論ノンストップ。
気を抜いたら途端にこれだ。


『カクシンハン版 ジュリアス・シーザー』


今回の舞台と、普段やっているものとの違いを感じられた点は、
音楽は最小で1人から始められる軽自動車のようなもので
小回りも効くし、いつでも停止できる。
しかし、今回は30人以上で動かす宇宙戦艦ヤマトさながら。
役割分担も細かく、一度進んだらその推進力は凄まじい。
そのぶん、よりチームワークが必要となる。
オーケストラに入ったら同じ気持ちになるのかしら。


演説の場面が最たるもので、
ここは演壇(バルコニー)があるので、僕からは民衆が見えない。
それでもなんとなく叩くことができた理由は
民衆のエネルギーが「向かう方向」に誘われるしかないから。
前から迫ってくる大きな雪崩を抗って前進するのは困難極まる。
議事堂の場面では舞台を踏ませて頂いたので尚更実感した。
議員のエネルギーがシーザー1点に上手に纏まってぶつかれるときがあった。
恐らくその熱量は相当のものだっただろう。


原作を読む限り、アントニーはそこまで悪いやつではなかった筈だが、
これも全体のエネルギーの方針が彼(彼女)をそうさせたのだろう。


結局は、個が「表現」のために活躍するのではなく、
その「表現」が求めるものに個が働くという点に変わりはなかったのも発見の1つ。


ではその個として僕の役割は何だったのだろう。
配役名は「軍神マルス」
神話や歴史はあまり詳しくないのだけれども…
と、ふと振り返ってみると、
なんと、去年4月に軍神マルス・及びシーザーに纏わる場所へ訪問していたではないか…!!!
http://www.rerure.com/blog/diary.cgi?no=434
読み返すとなんとも軽い文面…。
あれ程耳にしていたテベレ川もすぐ近くではないかい。
シェイクスピアを解って行っていたら感動も一入だったに違いない。


…話を戻すと、知らずして聖地巡礼をしていた僕の役割とは。
一番に心掛けていたのは感情の置き場。
序盤はシーザーを盛り上げる者として客席側に。
中盤は民衆の内側にいる者として舞台側に。
後半は全てを断ち切るまさに「軍神」としてドラム側に。
ここまでは自分の意志で叩くようなイメージを持っていて、
最後の毒ガスのシーンは神すらも嫌悪する非道な事態は、
アントニーに「叩かされる」ような感覚。
気持ちとタッチで質感がグイグイ変わる。


してシェイクスピア。
フライヤーの裏側に書いてあった翻訳家・松岡和子さんの言葉
「シェイクスピアの台詞は俳優に演技の膂力を与える」
これ程的を得ているものはない。
何気ないシーンに出てくる短い台詞それぞれが多彩で、
想像力を無限に引き立てさせる。
お陰で台本は殆ど読まずしてもすっかり台詞を覚えてしまった。

「理性とその配下の肉体とが激論を戦わせ、あたかも人間というこの小王国に内乱が起きたような騒乱状態だ」 - ブルータス

『カクシンハン版 ジュリアス・シーザー』で一番好きな台詞はこれ。
極めてシリアスに物語が進んでいる筈なのに、
どこかポップというか、コミカルな部分が見え隠れする。
ドラえもんに出てきそうな小人達がワイワイやってる感じ。


何処を切っても常に高い熱量で訴えかけてくるものがある。
…これは…。
シェイクスピアはメタルだ。冗談ではない。


表現することにおいて、形は違えど共通点しか感じさせなかった初舞台。
とことん刺激的で勉強させて頂きました。
俳優の皆さんにも何か影響になっていれば幸いですね。
また是が非でも一緒にやりたいなぁ。


影響という意味では、劇中の選曲には少し噛んでいて
Heart of the Sunriseはピッタリだろうと選ばせて頂いた。
喧騒にある騒乱は、まさにBuffalo'66と同じ世界観。
開場してからのBGMもよかった。


303/Kula Shaker
South Side of the Sky/YES
Shower Your Love/Kula Shaker
Let's Spend the Night Together (2013 Remastered Version)/David Bowie
Strength of Your Nature/The Style Council
Suffer Well/Depeche Mode
Hey Dude/Kula Shaker


YESの影響か、South Side of the Skyが入っていたり
80~90'sに疎い僕からするとDepeche Modeが特によかった。
カーテンコールは退廃的なものとタイミングとが合致し、David BowieのSueでした。
稽古中に訃報を知って本当に落ち込んでしまい俳優の皆様に助けられました。


前回のロンドンを経てから
「プロフェッショナルとはなにか」について考えてきたけれども、
やはり、食っているか食えていないかではない。
それは1つの生活していくための結果でしかない。
真摯に・ひた向きに・妥協無く・
人生の中心となって動いているものにその称号が当てられると思う。


まだまだ書き足りませんが、一先ずはこれで終結。
これからもプロフェッショナルを目指して。


「ブルータスの舌は彼の生涯の物語を語り終えようとしている。きっとこのときを目指して、ひたむきに働いてきたのだろう。」










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ご来場頂いた皆さま
共演者の皆さま
関係者の皆さま
ありがとう御座いました。


それでは、続きはwebで。チーン。










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◆ドラムセッティング◆
Drum Set - Ludwig 60's Psychedelic Red.
Snare - Ludwig 70's Supraphonic LM402 Snare Drum.
Pedal - YAMAHA DFP-750.
Cymbal - Paiste Giant Beat 24" 20" 18" 15"
Rogers Swivomatic "Swan Legs" Hi Hat Stand.
Ludwig Flat Base Cymbal Stand.
Rogers Swivomatic Straight Cymbal Stand.










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(photo by カクシンハン)
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